フィンランド語学習記 vol.229 − 夫と妻
前回のフィンランド語教室で扱ったトピックを一つ。
フィンランド語で「男」は mies(ミエス)、「女」は nainen(ナイネン)。
mies(男) | ←→ | nainen(女) |
また、フィンランド語で「夫」は mies(ミエス)、「妻」は vaimo(ヴァイモ)。
mies(夫) | ←→ | vaimo(妻) |
??
同じ単語が二回出てきました。
図式化すると次のような関係になります。
mies(男、夫) | ←→ | nainen(女) |
↑ ↓ |
||
vaimo(妻) |
フィンランド語には、英語の wife に当たる単語はあるのに、husband に当たる単語がありません。
そのため「男」を意味する mies を husband の意味でも使います。
この話を聞いて最初に思い出したのは英語の敬称の区分のこと。
男性の敬称は Mr. しかないのに、女性の敬称は未婚・既婚の違いによって Miss/Mrs. の使い分けがあります。(最近では未婚・既婚に関係ない Ms. を使うことも多いようですが。)
フィンランド語ではこのような区分を敬称だけではなく「男・女」を意味する基本単語にも当てはめているというイメージでしょうか。
フェミニズム的な見地からは怒られてしまいそうな使い分けですが、言葉というのは何よりも慣習。そのようになっているからなっているということなのでしょう。
とはいえ「夫」に当たる独立した単語がないというのは、いろいろと不便じゃないのかなあとも思ってしまいます。
実際のところはどうなのでしょう?