イディッシュ由来のちょっとかわいそうな人たち
辞書を眺めてみれば、英語にはさまざまな言語の語彙が入り込んでいることがわかります。
その一つがイディッシュ(Yiddish)。
イディッシュというのは、もともとヨーロッパでユダヤ人が話していたドイツ語の方言。
やがてヨーロッパでの迫害を逃れるため、アメリカ合衆国に移り住んだユダヤ人たちが、英語にその文化を持ち込みました。
そんなイディッシュには、ちょっとかわいそうな人を表わす単語が充実しているようで、その中には英語化しているものもあります。いくつか拾ってみましょう。
klutz
someone who often drops things or has accidents
『Macmillan Dictionary』
英和辞書の訳は「ぶきっちょ」など。
語義の「ものを落としてしまう人」というのは、何だか微笑ましいですね。
まあまあいいじゃないですか、皿の一枚や二枚割ったって。。。
nebbish
a nervous person who is not confident or brave
『Macmillan Dictionary』
英和辞書の訳は「気の弱い人、自信なさそうな人」など。
この単語を知って「あ、自分は nebbish かも」って思う人は多いのではないでしょうか。
はい、私もその一人です。
schlemiel
someone who is not very intelligent or lucky and who makes a lot of mistakes
『Macmillan Dictionary』
英和辞書の訳は「どじ、まぬけ」など。
真剣にやっているのに、いつも失敗ばかり。まわりは困っているのに、本人は笑顔。
もしかしたらそんなポジションも悪くはないのかもしれません。
以上、イディッシュ由来の英単語から、ちょっとかわいそうな人たちを表わす単語を拾ってみました。
どの単語もキャラクターがありありと想像できるようで、もしこれらの単語を生み出した人がいるなら、人間観察に優れた人だったんだろうなあと思います。