ことわざに見る親子関係

次の二つはどちらも英語のことわざ。

It is a wise child that knows his own father.
It is a wise father that knows his own child.

上下の文で child と father の位置が入れ替わっています。

それぞれの文を直訳すれば「父親をよく知っているのは賢い子供である」「子供をよく知っているのは賢い父親である」という日本語になるでしょうか。

これだけでも何となく意味はわかるのですが、ことわざであるということを踏まえた上で、ぴったりの日本語を当てはめるなら次のようになるでしょう。

It is a wise child that knows his own father.(親の心、子知らず)
It is a wise father that knows his own child.(親馬鹿)

英語ではポジティブな表現が、日本語では逆にネガティブな表現になってしまうというのは面白いところ。

理想を語る英語と諦念を語る日本語の対比に、それぞれの文化を感じ取ることができるように思います。