フィンランド語学習記 vol.546 − Saamelaisten kansallispäivä
2日過ぎてしまいましたが、2月6日は Saamelaisten kansallispäivä(Sami National Day)。
北欧の先住民族サーミ人が1917年にノルウェーのトロンハイムに最初の議会を開いたのが2月6日なのだそうです。
この Saamelaisten kansallispäivä(Sami National Day)を日本語に訳すのはなかなか難しい作業。サーミの人々は国を持っている訳ではないので、サーミ国家の日もサーミ国民の日もちょっと不自然な感じ。結局はシンプルにサーミの日というのが一番収まりがよいのかもしれません。
フィンランド語学習者のためのやさしいフィンランド語によるニュースサイト「Yle Uutiset selkosuomeksi」にもこの Saamelaisten kansallispäivä に関するニュースが出ていました。
Saamelaiset juhlivat kansallispäivää
Tänään on saamelaisten kansallispäivä.
Saamelaiset ovat alkuperäiskansa, joka asuu Suomen, Ruotsin, Norjan ja Venäjän pohjoisosissa.
Saamelaisia on noin 60 000. Heillä on oma kieli ja kulttuuri.
Saamelaisilla on myös oma lippu ja oma parlamentti eli saamelaiskäräjät, joka puolustaa saamelaista elämäntapaa.
Saamelaisten elämäntapaan kuuluvat esimerkiksi poronhoito ja kalastus.
サーミ人、記念の日を祝う今日はサーミ人の日だ。
サーミ人はフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ロシアの北部に住んでいる先住民だ。
サーミ人は約6万人。彼らは独自の言語と文化を持っている。
サーミ人は独自の旗と独自の議会である saamelaiskäräjät も持っており、それはサーミ人の生活様式を守っている。
サーミ人の生活様式にはトナカイの放牧や漁などが含まれる。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
saamelainen | Sami | サーミ人の |
kansallispäivä | national day | 国家の日 |
alkuperäiskansa | indigenous people | 先住民 |
pohjoisosa | northern part | 北部 |
kieli | language | 言語 |
kulttuuri | culture | 文化 |
lippu | flag | 旗 |
puolustaa | defend | 守る |
elämäntapa | lifestyle | 生活様式 |
kuulua | belong | 属する |
poro | reindeer | トナカイ |
poronhoito | reindeer herding | トナカイの飼育 |
kalastus | fishing | 漁 |
サーミ語はフィンランド語と同じフィン・ウゴル語派に属する言語。そんなこともありサーミ人というのはフィンランドとのつながりが強いイメージがありましたが、実際にはスウェーデンやノルウェーにも多くのサーミ人が住んでいるんですね。
いずれにしてもサーミの人々というのは、独自の言語と文化を持つ北欧の大切な構成員。できることならその言語や文化を書籍などでもっと深く学んでみたいと思わせるようなエキゾチックな魅力があります。
なお Yle Areena のホームページにはこの Saamelaisten kansallispäivä に関する約2分間の動画もアップされていました。興味のある方はぜひこちらもご覧になってみてください。
【動画はこちらから】Saamelaisten kansallispäivä
Yle Uutiset selkosuomeksi | Yle Uutiset | yle.fi
2月 09, 2018 @ 14:33:47
サーミ語の構造・文法については,
吉田欣吾氏著「サーミ語の基礎」 大学書林 1996
サーミ文化については,
ヨハン・トゥリ(Johan Turi)著/吉田欣吾氏訳「サーミ人についての話」東海大学出版会2002
葛野浩昭著「トナカイの社会誌-北緯70度の放牧者たち-」河合出版 1990
サーミの音楽(英)yoik (フィ)joiku については,
Nils Aslak Valkeapää https://www.youtube.com/watch?v=rPaaUa3Aiek
昔若いころヘルシンキの日本大使館でこの人に会ったことがあります。
紅白歌合戦のフィルム(当時はフィルムでした)が3か月遅れで各国の大使館を回ってきたものを日本大使館で上映した時,たまたま友達が彼を連れてきていてその時少々しゃべりました。
彼がリレハンメル五輪の開会式で歌っているのがこの映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=j2CymrMXCO8
2月 18, 2018 @ 01:55:08
Jussiさん
情報ありがとうございます。
「サーミ語の基礎」の方は大きな書店で見かけたことがあります。
日本語でサーミ語の本が出ているというのはすごいことですよね。本格的に学ぶのは無理でも、ちょっとだけ齧ってみたい気持ちはあります。
joiku の動画もありがとうございました。
途中、お経を聞いているような感覚になる瞬間がありました。
何も考えず、自分を空にして、聞いていたいような音楽ですね。