フィンランド語学習記 vol.6 − 語彙力増強作戦

千野栄一さんの名著『外国語上達法』によると、外国語の学習に際して必ず必要なのはたった二つ「語彙と文法」なのだそうです。

だとすれば、語彙のない文法というのはありえないので、まずは語彙を増やさなければなりません。

単語力を一気に構築する方法としては、前回のエントリーで紹介したようなソフトウェアを使うという方法もあります。

しかし今回はそこまで焦って覚える必要もないので、授業で出てきた単語を日常生活の中でゆるやかに復習できるようなシステムを作ることにしました。

システムというと大げさなのですが、今回は「i暗記」というiPhoneアプリを使います。

有名なアプリなので使ったことがある人もいると思いますが、簡単に概要を説明します。

このアプリは昔ながらの単語カード(表に覚えたい単語、裏にその意味)をそのままデジタルに再現したものと言えるでしょう。とはいえ、もちろんそれだけではない様々な工夫があります。

 

Web上で単語帳の編集ができる。

ブラウザ上で単語と意味の入力をすることもできますし、CSVファイルを使って一気にたくさんの単語を取り込むこともできます。

しかしフィンランド語の場合、CSVファイルから取り込むとウムラウトの文字[ä, ö]が消えてしまいます(涙)。そのためブラウザ上で直接入力するか、CSVで取り込んだ後、ウムラウトの文字部分を修正するよりほかありません。

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↑この画面に単語を入力していくと、↓こんな感じのリストに仕上がります。

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iPhone上の画面はこんな感じ。「Hyvää iltää!」のカードにタッチすると、カードが1回転して裏面の「こんばんは」が出てきます。意味がわかった単語は上の青いマスへスワイプ、わからなかった単語は下の赤いマスへスワイプします。

 

単語帳を購入・販売することができる。

ウェブ上(またはiPhoneアプリ上)で他のユーザーが作成した単語帳を購入したり、自作の単語帳を販売したりできます。さてフィンランド語の単語帳はあるのか?と思い「フィンランド」で検索したものの何も出て来ず。ちなみに「Finnish」とか「Suomi」も検索しましたがヒットしませんでした。

ということは、フィンランド語の単語帳を作成して販売すれば第一号になることができますね。(何人購入してくれるかは疑問ですが。。。)

 

なおこのソフトは、通常の学習モードを選択すると暗記効率を高めるアルゴリズムに基づいて単語を出題してくれます。その他に一夜漬けモード、スライドショーといったモードも選択することができます。

これはかなり地味なソフトではあるのですが、毎週出てくる新出単語をきっちり整理し、日々振り返るにはたいへん効果的なソフトだと思います。

これで発音の読み上げ機能があれば、ほんとにありがたいのですが、まあそれは贅沢というものでしょう。

ぜひお試しください。

ちなみに冒頭に紹介した「外国語上達法」によると、新しい言語に取り組む際はまず1,000語を覚えることが肝心ということです。ということで、まずはこのアプリの単語登録数が1,000語になるように頑張ります。
 

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