フィンランド語学習記 vol.13 − 踊りましょう
先日のフィンランド語のクラスで、宮崎あおいさんの earth music&ecology のCMが話題になっていたので、遅ればせながら見てみました。
これはどこからどう見てもカウリスマキ風の作品ですね。もしかしてパロディなのでしょうか? そのあたりはよくわかりませんが、こういう世界観は好きです。(カウリスマキって誰?という方はこちらへ)
フィンランド人の先生曰く最後の tanssitaan の発音がわかりにくく、最初に見たときは意味がわからなかったそうです。まあそれはよい(?)として、この単語はどこかで聞いたことがあるなと思い調べていたら、先日読んだ「フィンランド語のしくみ」に出ていました。
動詞の語形変化の説明でこの語が使われています。
Minä tanssin.(私は踊ります)
Sinä tanssit.(あなたは踊ります)
Hän tanssii.(彼/彼女は踊ります)
Sinä tanssit.(あなたは踊ります)
Hän tanssii.(彼/彼女は踊ります)
主語の人称によって、動詞が語形変化します。実際には各人称の複数形もそれぞれ独自の形を持つので、全部で6種類に。
En tanssi.(私は踊りません)
Et tanssi.(あなたは踊りません)
Hän ei tanssi.(彼/彼女は踊りません)
Et tanssi.(あなたは踊りません)
Hän ei tanssi.(彼/彼女は踊りません)
否定動詞(en, et, ei)を使うと、動詞は語幹の(tanssi)になります。一人称主語の minä と二人称主語の sinä は省略してもよいとのこと。省略しても動詞の形で主語はわかります。
Tanssi!(踊りなさい)
Tanssitaan!(踊りましょう)
Tanssitaan!(踊りましょう)
冒頭の tanssitaan も紹介されていました。「フィンランド語文法ハンドブック」で調べてみると、この形は「受動形」と言うようです。英語の受動形とはずいぶん違いますが、なぜ受動と呼ぶのでしょう?
そのあたりはよくわかりませんが、この「〜しよう」の形は日常会話でもよく使われるらしく、こんな表現ものっていました。
Syödään paljon!(たくさん食べましょう)
Opiskellaan!(勉強しましょう)
Tavataan!(また会いましょう)
Opiskellaan!(勉強しましょう)
Tavataan!(また会いましょう)
それではまた。
1月 04, 2013 @ 10:32:16
> フィンランド人の先生曰く最後の tanssitaan の発音が
> わかりにくく、最初に見たときは意味がわからなかった
> そうです。
私もそう思いました。問題はいくつかあると思います。
<発音の問題>
tanssitaan が tansitaa に聞こえる。
また,音節(tans-si-taan)の第1音節「tans」に強勢がなく,平板になって
いる。
<台詞の問題>
前後のつながりがなくいきなりtanssitaanという人はいない。
例えば「No, tanssitaan!」とか「Hei, tanssitaan!」(じゃあ,踊りましょう!)
というように何か他の者に呼び掛けるような,誘うような言葉があるべき。
<演出の問題>
tanssitaanは言い換えれば Me tanssimme ですから話し相手の方に目が行って
なければ不自然で,ダンスを誘っているようには感じられない。
カウリスマキ風を狙った作品としては前2作より落ちるかな?強風の吹く港でト
ランプというのも腑に落ちない。
1月 04, 2013 @ 19:35:29
Jussiさん
なるほど、発音や台詞の前後のつながりの問題もあるんですね。
そういえば先生は[-si]のところが[-shi]に聞こえると言っていました。
おっしゃるとおり前二作の方がよく出来ていたような気はします。三作目となると、もう疲れていたのかもしれません。
でもこのCM「tanssitaan」の一言だけは妙に耳に残るんですよね。なぜなのか。