フィンランド語学習記 vol.494 − 分詞構文の作り方(3)

17082001

以前のエントリーでフィンランド語の分詞構文の作り方を扱いました。

フィンランド語学習記 vol.485 − 分詞構文の作り方(1)

フィンランド語学習記 vol.486 − 分詞構文の作り方(2)

その際に取り上げたのは次のような文。

Seppo sanoi Pekan olevan kotona.
=Seppo sanoi että Pekka on kotona.
(セッポは、ペッカが家にいると言った。)

今回はさらに次のような文を取り上げてみたいと思います。

Seppo sanoi Pekan olleen kotona.
=Seppo sanoi että Pekka on (oli) ollut kotona.
(セッポは、ペッカが家にいたと言った。)

二つの文を比較してみましょう。

能動現在分詞
の分詞構文
Seppo sanoi Pekan olevan kotona.
(セッポは、ペッカが家にいると言った。)
能動過去分詞
の分詞構文
Seppo sanoi Pekan olleen kotona.
(セッポは、ペッカが家にいたと言った。)

 

現在分詞を用いるのは、分詞が主節の動詞と「同時」あるいは「未来」の出来事を表すとき。

そして過去分詞を用いるのは、分詞が主節の動詞よりも「過去」の出来事を表すとき。

なおフィンランド語の過去分詞は[-ut][-yt]で終わりますが、[-ut][-yt]で終わる単語の語幹は[-yt][-ut]が[-ee]に変化します。

辞書形 能動過去分詞 能動過去分詞
(語幹)
olla(いる) ollut ollee
asua(住む) asunut asunee
rakentaa(建てる) rakentanut rakantanee
muuttaa(引っ越す) muuttanut muuttanee
tehdä(する) tehnyt tehnee

 

よって分詞構文の能動過去分詞は[-ut][-yt]の形ではなく、[-ee]の形になることに注意しましょう。

× Seppo sanoi Pekan ollut kotona.
Seppo sanoi Pekan olleen kotona.

*語幹の ollee に対格語尾の[-n]が付いています。

能動過去分詞の語幹の求め方は上記のとおりワンパターンなので、慣れてしまえば特に苦労はなさそうです。

また以前のエントリーでも述べたとおり、この分詞構文は書き言葉で使われる表現。

よってまずは文章を読んでいて、

Seppo sanoi Pekan olleen kotona.

という文が出てきたときに、主節の動詞と分詞の時間関係を捉えることができればよいのではないかと思います。