Euouae

英語には、island や Wednesday など、綴りから発音を想像するのが難しい単語がたくさんあります。

island の[s]や Wednesday の[d]を読まないというのは、ルール化できるものではないため、単語ごとに覚えていくよりほかありません。

とはいえ長年英語を勉強していると、少々風変わりな綴りが出てきても、何となく発音を想像できるようにはなってきます。

しかし最近、綴りから全く発音を想像できない単語に出会ってしまったので、ここに紹介してみたいと思います。

その単語がこちら。

Euouae

エウオウアエ??

。。。ではないのでしょう。

さっそく wiktionary を調べてみると、こんな発音記号が付されていました。
(こんな単語ものっている wiktionary はすごい!)

[juːˈuːɪ]

カタカナ表記をすれば「ユゥーウーイ」という感じでしょうか?

かなり無理矢理、英語らしい音に変換した感じがありますね。

一方、意味はと言うと、

A type of cadence in medieval music.

(中世の音楽におけるカデンツ[=終止形]の一つ)

これだけではどうもよくわかりません。

この単語は Wikipedia の項目にもなっているので、そちらの解説も見てみました。

解説によると、キリスト教の賛美歌「グロリア・パトリ」の最後に “seculorum Amen” というフレーズが出てきます。(ラテン語)

euouae は、このフレーズの母音を覚えやすいように並べたものなのだとか。

seculorum Amen = euouae

なぜこのように略されるようになったのか? これは調べてみたもののよくわかりません。

いずれにしても、この euouae という略語によって、下記のように曲の終止部分の音型を示すようになったとのこと。

またこの単語は母音だけでできている最も長い単語としてギネスブックに認定されているそうです。

以上、ちょっと風変わりな英単語のお話でした。