すごい大きい犬
今日、学校へ行く途中で、すごい大きい犬を見たよ。
この文に違和感を感じる人も、違和感を感じない人もいるでしょう。
文法的には「すごい」は形容詞、「大きい」も形容詞ですから、正しくは連用形の「すごく」を使うべきということになります。
今日、学校へ行く途中で、すごく大きい犬を見たよ。
ただし「すごい」を「すごく」に変えることによって、失われてしまうものもあるように思います。
それは話し手の気持ちの部分。アクセントの置き方にもよりますが、「すごく」より「すごい」の方が話し手の驚きのようなものがダイレクトに伝わってくるような気がするのです。
あのピッチャーの球はすごい速い。
あのピッチャーの球はすごく速い。
あのピッチャーの球はすごく速い。
すごいという形容詞は一語で強い気持ちを伝えますが、すごくに変わるとその気持ちはやや薄まってしまいます。
意識しているかどうかはさておき、「すごい◯◯い」と言いたくなる裏にはそのような気持ちが隠されているのかもしれません。
正直なところ「すごい速い、すごい大きい」という表現にはおさまりの悪さも感じます。それでも時間とともに少しずつ日本語の中に根付いていくのではないでしょうか。