「五十日」は何と読む?− 漢字三文字、かな二文字の単語たち
やし【香具師】
祭日・祭礼などの人出の多い所で見せ物などを興行し、また粗製の商品などを売ることを業とする者。てきや。
『広辞苑』
香具師(やし)というのは、何だか不思議な単語だと思いませんか?
漢字で書くと三文字なのに、かなで書くと二文字。
何か違和感がある。。。と思っていたのですが、調べてみると他にもたくさんあるんですね、この「漢字三文字、かな二文字」単語。
いくつか紹介してみたいと思います。
えせ【似而非】
似てはいるが、実は本物ではないこと。まやかし。にせもの。
広辞苑には「似而非」と並んで「似非」の表記もあり。
「エセ科学」のようにカタカナで書いたりもしますね。
はぜ【蝦虎魚】
ハゼ科の硬骨魚の総称。特に、マハゼを指す。淡水・海水・汽水に産し、多くは全長20センチメートル以下で水底にすむ。。。(略)
広辞苑には「蝦虎魚」と並んで「沙魚・鯊」の表記もあり。
よく見ると「沙魚」と「鯊」はタテヨコの並びを変えただけですね。
ぶな【山毛欅】
ブナ科の落葉高木。やや高い山地に生え、ブナ帯の代表種。幹の高さ約20メートル。。。(略)
広辞苑には「山毛欅」と並んで「橅・椈」の表記もあり。
実際には「ブナ」とカタカナで書くことが多いでしょうか。
いか【五十日】
ごじゅうにち。
昔の日数の数え方は、十日(とおか)、二十日(はつか)、三十日(みそか)、四十日(よそか)、五十日(いか)、百日(ももか)。
「はつか」までは現代語に生きていますが、そこから先は聞かなくなりました。(「みそか」は大晦日で使いますが。)
以上、本日はいくつかの「漢字三文字、かな二文字」単語を紹介してみました。
これらの単語は日本語の中で「熟字訓」と呼ばれるもの。
じゅくじくん【熟字訓】
熟字を訓よみにすること。また、その訓。「私語」を「ささやき」、「五月雨」を「さみだれ」と訓ずる類。
よって「五十日=いか」と読んだときに、それでは「五十日」のどこまでが「い」でどこからが「か」なのですか?と言っても意味のないこと。あくまで単語全体に当てた読みなのだと考えるよりほかありません。
これもまた日本語の不思議の一つだと思います。