言葉によって、悪業をなす
平井正修さんの『坐禅のすすめ』という本に、仏教の十悪業(人間が犯しやすい基本的な悪業)というものが紹介されていました。印象に残ったので、引用してみたいと思います。
- 「殺生(殺すこと)」
- 「偸盗(盗むこと)」
- 「邪淫(不倫をすること)」
- 「悪口(他人をあしざまにいうこと)」
- 「両舌(二枚舌を使うこと)」
- 「綺語(おべんちゃらをいうこと)」
- 「妄語(うそをつくこと)」
- 「貪(むさぼること)」
- 「瞋(怒ること)」
- 「癡(無知で愚かなこと)」
…前から三つは身体にかかわるもの、次の四つは口にかかわるもの、最後の三つは心にかかわるものです。これを「身三口四意三」というのですが、人は口で、つまり言葉によって、悪業をなすことがいちばん多いのです。
『坐禅のすすめ』P.106
たしかに言葉の持つ力というのはとても強いもの。
使い方を一つ間違えると、思いがけない刃で相手を傷つけてしまうことがあります。
誰しも、心ない言葉に傷ついた経験の一つや二つは持っていることでしょう。
またそのような言葉というのは、ブーメランのように跳ね返ってきて、言葉を発した人自身を傷つけてしまうことも。
例えば、あなたが目の前にいない人の悪口を誰かにぺらぺらと話してしまったとします。
そのとき、その話を聞いた相手が何とも思っていなくても、話したあなた自身が後悔や罪悪感に苛まれるというのはよくあること。
実際、言葉というのはそのような形で人を傷つけることも多いような気がします。
人が生きている限り、人を傷つけたり、傷つけられたりすることは避けられない訳ですが、できる限り「言葉によって、悪業をなす」ことのないよう心がけたいとは思います。
心がみるみる晴れる 坐禅のすすめ
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