big と large の違いとは?
以前、学習塾で中学生に英語を教えていたとき、こんな質問を受けたことがありました。
big と large は何が違うんですか?
なかなか鋭い質問です。どちらも中学1年で習う単語ですが、日本語に訳せばどちらも「大きい」。言葉に対する感性の強い子なら、不思議に思っても無理はありません。
その場で答えられる知識もなかったので、返答は次回までの宿題としました。そして様々な辞書や語法書を調べた結果、次のような説明で乗り切ることに。
big は主観的、large は客観的
例えばアメリカのマクドナルドでコーラのLサイズを頼んだとしましょう。これは通常 large size であって、big size ではありません。しかし出てきたコーラがあまりにも大きくて飲み切れないときには、おそらく Too big! と言うことになるでしょう。アメリカのコーラはびっくりするくらい大きいのです。
また a large man と言えば普通体格のよい人を想像しますが、a big man と言えば体格よりも「あいつは大物だ」なんていうときの「大物」の意味になります。
中学1年生向けの説明はこれでおしまい。なお調べたところ、大抵の学習辞書には big と large (それから great)の違いについて解説がのっていました。例えばルミナス英和辞典によりますと、
【類義語】
big, large, great の 3 語はしばしば形の大きな物に対してほぼ同様に用いる. しかし big のほうが多少略式語的であると同時に, large が数量の大きい物に, big が重さ・程度・容量などの大きい物に使い分けて用いることも多い.
・We need a large amount of money. お金がたくさん必要だ
・It’s a big mistake. それは大変な間違いだ.
また big には「重要な」の意味があるのに対し, large にはこの意味はない. great は big, large と同じ意味で用いるほかに, 形の大きさが驚くほど印象的である場合や, 形とは別に程度の大きさ・重要性などを意味するのに用いる
・ a great city (政治的・文化的に重要な)大都会 / a great man 偉人.
【語法】 big と対になる語は little, large と対になる語は small.
なお言語学的には「全く同じ意味を持つ、二つの単語」というのは存在しないと考えられているようです。そう言われると探してみたくなりますが、さて。