フィンランド語学習記 vol.32 − 母音のはなし

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日本語の母音は「ア、イ、ウ、エ、オ」の5つですが、フィンランド語の母音は全部で8つ。
大きく次の3つのグループに分けられます。
① | a, o, u |
② | i, e |
③ | ä, ö, y |
このうち、①の音と③の音は一つの単語の中に同居することができません。つまり、takö のような単語はつくることができないということですね。(複合語は除く)
そのため、例えば「〜の上に」を表す格語尾[-lla/-llä]を使って文をつくる場合、語幹に使われている母音をよく見て[-lla]と[-llä]のどちらを使うのか決定しなければなりません。次の例を見てみましょう。
tuoli(イス)
⇒ Tuolilla on kissa.(イスの上にねこがいます)
pöytä(テーブル)
⇒ Pöydällä on kissa.(テーブルの上にねこがいます)
⇒ Tuolilla on kissa.(イスの上にねこがいます)
pöytä(テーブル)
⇒ Pöydällä on kissa.(テーブルの上にねこがいます)
①〜③の中で、日本人にとって発音が難しいのはやはり③でしょうか。『フィンランド語文法ハンドブック』では、次のように発音の説明がされています。
y は唇を丸めて i[イ]を発音します。y はフィンランド語では母音を表わしますので注意してください。同じように、ö は唇を丸めて e[エ]を発音する音です。ä は e[エ]の口の形で a[ア]を発音します。
P9
私にとっては[y]と[ö]の「唇を丸める音」がなかなか難しく、どうもあいまいな発音でごまかしているような感じがあります。
また上の引用にもあるとおり[y]には母音というイメージがないので、次のような単語が出てくると、瞬間的に音が浮かばず、ぎょっとしてしまうこともあります。
kylpy | 入浴 |
kysymys | 質問 |
ystävyys | 友情 |
とはいえ、このような英語ではありえないつづりに出会えるとちょっと嬉しくなってしまうこともまた事実。
せっかく新しい言葉を学習しているのだから何よりも「違い」を楽しんでいきたいものです。