「探す」と「捜す」の違いとは?
デジタルカメラの充電ケーブルが見当たらなくなってしまい、家のあちこちを探したものの見つかりません。
「はー」とため息をつきつつ思ったのは、「さがす」という日本語の動詞には「探す」と「捜す」という二つの漢字があるなということ。
そもそもこの二つの漢字に意味の違いはあるのでしょうか?
第一感では「捜す」という漢字には「人を捜す」という意味があるのではないかと思ったのですが、調べてみるとどうも違うようです。
さがす[探す](他五)
①〔ほしいものを〕〈見つけよう/手に入れよう〉として、動き回る。
②見つけようとしてほうぼうを見る。
「三省堂国語辞典 第七版」
さがす[捜す](他五)
〔見えなくなったものを〕見つけ出そうとして、ほうぼうを調べる。
「三省堂国語辞典 第七版」
三国によると、
- 探す=ほしいものを探す
- 捜す=見えなくなったものを捜す
という違いがあるとのこと。
ということは、冒頭の例のように見当たらない充電ケーブルを「さがす」という場合には、「探す」よりも「捜す」の方が適切なのでしょうか?
(だとしても「探す」と書いたら間違いということはないでしょうが。)
またこの使い分けに基づくと、例えば「恋人をさがす」と言いたいとき、漢字一つで次のようなニュアンスの違いが生まれてしまうのかもしれません。
- 恋人を探す=恋人がいない人が恋人を探す
- 恋人を捜す=恋人がいる人が行方不明の恋人を捜す
そうだとすると、同じ「さがす」でも、うっかり漢字を間違えただけで無用な誤解を招いてしまいそう。使い分けにはくれぐれも注意したいものです。
三省堂国語辞典 第七版
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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