『なくなりそうな世界のことば』
先日、新宿の紀伊国屋書店に行ったときに、書棚で見かけたのがこちらの本。
これはずるい。一瞥しただけですぐにレジに持っていってしまいました。
『なくなりそうな世界のことば』は、世界の50の少数言語を選んで、その言語特有のユニークな表現を素敵な絵とともに紹介する一冊。
掲載されている50の言語は話者数の多いものから少ないものへと並べられています。その一覧を見てみましょう。
- アヤクチョ・ケチュア語(900,000人)
- ネワール語(830,000人)
- バスク語(714,000人)
- ジンポー語(650,000人)
- ウェールズ語(562,000人)
- シナー語(500,000人)
- サハ語(450,000人)
- ティディム・チン語(350,000人)
- ブリヤート語(300,000人)
- フィジー語(300,000人)
- トゥバ語(280,000人)
- ラマホロット語(200,000人)
- コワール語(200,000人)
- ヘレロ語(200,000人)
- マテンゴ語(160,000人)
- カルデラーシ・ロマニー語(150,000人)
- アイルランド語(138,000人)
- トク・ピシン(122,000人)
- ラダック語(117,000人)
- ブルシャスキー語(100,000人)
- ダグール語(96,100人)
- ドホイ語(80,000人)
- ラワン語(62,000人)
- ボントック語(40,000人)
- サーミ語(35,000人)
- アミ語(30,000人)
- ワヒー語(30,000人)
- ポポロカ語(20,000人)
- シベ語(20,000人余り)
- ドム語(16,000人)
- セデック語(10,000人以下)
- テオティトラン・デル・バイェ・サポテク語(5,000人)
- カラーシャ語(5,000人)
- メチェ語(4,500人)
- コリャーク語(2,000人)
- ハワイ語(2,000人)
- ナーナイ語(500人)
- サタワル語(460人)
- ウルチャ語(100人)
- ツィムシアン語(100人)
- ニヴフ語(100人以下)
- ハイダ語(100人以下)
- ドマーキ語(100人以下)
- ウデヘ語(100人以下)
- ウイルタ語(10人)
- スライアモン語(10人)
- アルタ語(10人)
- イテリメン語(10人以下)
- アイヌ語(5人)
- 大アンダマン混成語(0人)
北欧のラップランドで話されているサーミ語からは「太陽の出ない季節」を意味する skábma(スカーマ)という単語が取り上げられていました。
上記の話者数は各ページの端にも書かれており、ページをパラパラマンガのようにめくると900,000から0へ数字がカウントダウンされる体裁になっています。
現在世界には約7,000の言語があるとされていますが、一説によるとその半分は今世紀中に消滅してしまうとのこと。
そういう意味で、私たちが今生きている21世紀というのは消えゆく言語の世紀と言えます。
今私たちにできることは、せめてそれらの言語が持つ豊かな世界に思いを馳せ、想像を膨らませてみること。本書はそのきっかけを与えてくれる素敵な一冊です。