フィンランド語学習記 vol.560 − 江の島の方へ

18032201

「私は江の島へ行った」と「私は江の島の方へ行った」の違いは何でしょう?

??

前者は江の島に上陸している可能性が高いですし、そうでなくても江の島の近くまで行っている可能性が高いでしょう。

一方、後者は江の島の近くまで行っている可能性もありますし、もしかしたら遠くから江の島の姿を見ただけという可能性もあります。

この違いをフィンランド語では次のように表すことができるようです。

Menin Enoshimaan.(私は江の島へ行った。)
Menin Enoshimaan päin.(私は江の島の方へ行った。)

päin は「〜の方へ」を意味する後置詞。

フィンランド語教室のテキスト「suomea suomeksi 2」にはこの päin を使った次のような例文が出ていました。

Pekka meni Kallioon päin.(ペッカはカッリオの方に行った。)
= Kallion suuntaan

Pekka asuu Kalliossa päin.(ペッカはカッリオの方に住んでいる。)
= Kallion suunnassa

Pekka tuli Kalliosta päin.(ペッカはカッリオの方から来た。)
= Kallion suunnasta

ここでは後置詞の päin の他に「方角」を意味する名詞 suunta を使った構文も紹介されています。

後置詞の päin がいわゆる場所格(Kallioon, Kalliossa, Kalliosta)との組み合わせで使われているのに対して、名詞の suunta はそれ自体が場所格(suuntaan, suunnassa, suunnasta)に変化しているという違いがあります。

動詞 名詞
(場所格)
後置詞
mennä
 
asua
 
tulla
 
Kallioon
(入格)
Kalliossa
(内格)
Kalliosta
(出格)
päin

 

動詞 名詞
(属格)
名詞
(場所格)
mennä
 
asua
 
tulla
 
Kallion suuntaan
(入格)
suunnassa
(内格)
suunnasta
(出格)

 

どちらもフィンランド語によくある形なので、しっかりと押さえておきたいところです。