フィンランド語学習記 vol.561 − 共格の作り方

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フィンランド語には全部で15の格があります。

そのうちこれまでに習ったのは「主格、属格、対格、分格、内格、出格、入格、接格、離格、向格、変格、様格」の12の格。

(○が付いているのが既習の格です。)

単数 複数
主格 〜は/が kukka kukat
属格 〜の kukan kukkien
対格 〜を kukan kukat
分格 〜を kukkaa kukkia
内格 〜の中で/に kukassa kukissa
出格 〜の中から kukasta kukista
入格 〜の中へ kukkaan kukkiin
接格 〜の表面で/に kukalla kukilla
離格 〜の表面から kukalta kukilta
向格 〜の表面へ kukalle kukille
変格 〜に(なる) kukaksi kukiksi
様格 〜として kukkana kukkina
具格 〜を使って kukin
共格 〜と共に kukkine
欠格 〜なしで kukatta kukitta

 

今回は未習の3つの格のうち、共格と呼ばれる形について見ていきたいと思います。

 

共格とは?

共格とはその名の通り「〜といっしょに」という意味を表すための格。

Liisa lensi uusine poikaystävineen Ouluun.
(リーサは新しいボーイフレンドといっしょにオウルへ飛んだ。)

太字の uusine poikaystävineen の部分が共格の形になっています。

この「〜といっしょに」という意味はこれまで後置詞 kanssa を使って表していました。

Liisa lensi uuden poikaystävänsä kanssa Ouluun.
(リーサは新しいボーイフレンドといっしょにオウルへ飛んだ。)

共格は書き言葉で使われる形なので、日常会話ではこの kanssa を使った形を作ることができれば大丈夫。

しかしフィンランド語の文章を読んだり書いたりするためには、この共格の形も合わせて知っておく必要があります。

よって今回はその作り方を見ていきましょう。

 

共格の作り方

共格を作る手順は以下の通り。

1)複数語幹をもとめる。
2)共格語尾[-ne]を付ける。
3)所有接尾辞を付ける。
*共格は単複同形の格なので、単数・複数の区別はありません。作るときには必ず複数語幹を経由します。

 

1)複数語幹をもとめる

複数語幹の作り方はやや複雑なので、細かな手順を確認したい方はこちらをご覧ください。

ここではさきほどの例文に出てきた poikaystävä(ボーイフレンド)という単語を例に変化形を見ていきます。

poikaystävä(ボーイフレンド)
[単数語幹]poikaystävä
[複数語幹]poikaystävi

 

2)共格語尾[-ne]を付ける

さきほどの複数語幹に共格語尾[-ne]を付けます。

poikaystävi → poikaystävine

 

3)所有接尾辞を付ける

主語の人称に合わせて以下の所有接尾辞を付けます。

一人称単数 [-ni]
二人称単数 [-si]
三人称単数 [-nsA] [-Vn]
一人称複数 [-mme]
二人称複数 [-tte]
三人称複数 [-nsA] [-Vn]

* V は直前の母音を示す。

ここでは三人称単数の所有接尾辞[-Vn]を付けてみます。

poikaystävi → poikaystävine → poikaystävineen

以上でできあがり。

冒頭の例文をもう一度見てみましょう。

Liisa lensi uusine poikaystävineen Ouluun.
(リーサは新しいボーイフレンドといっしょにオウルへ飛んだ。)

*所有接尾辞が付くのは名詞の poikaystävineen のみ。形容詞の uusine には付かないので注意しましょう。

 

まとめ

以上、今回はフィンランド語の共格と呼ばれる形について見てきました。

正直、フィンランド語の文章を読んでいてこの形が出て来たときに「共格」だと見分けられる自信は今のところありません。

ただそれほど使用頻度の高い形ではないので、まずはこんな形もあるという程度に覚えておけばよいのかなと思います。