雲のあれこれ

気が付けば7月。関東では梅雨も明けて、夏空がまぶしい季節になりました。

夏の空と言えば、もくもくの雲。

その雲について調べていたら、雲の種類というのは全部で10種類しかないということを知りびっくり。みなさんは知っていましたか?

  • 巻雲(けんうん)
  • 巻積雲(けんせきうん)
  • 巻層雲(けんそううん)
  • 高積雲(こうせきうん)
  • 高層雲(こうそううん)
  • 乱層雲(らんそううん)
  • 層積雲(そうせきうん)
  • 層雲(そううん)
  • 積雲(せきうん)
  • 積乱雲(せきらんうん)

何となく形をイメージできるものもあれば、イメージできないものもあります。

国語辞書ではそれぞれの特徴をどのように描写しているのだろう?と思い、手元の辞書を調べてみました。

けんうん[▽巻雲](名)

〘天〙白くて〈繊維/はね〉に似たくも。くものうちで、空のいちばん高いところにある。すじぐも。まきぐも。

「三省堂国語辞典 第七版」

けんせきうん[▽巻積雲](名)

〘天〙秋の高い空にあらわれる、うろこのような模様の雲。さば雲。いわし雲。うろこ雲。

「三省堂国語辞典 第七版」

けんそううん[▽巻層雲](名)

〘天〙高いところで空一面にうすく広がる白い雲。うすぐも。

「三省堂国語辞典 第七版」

こうせきうん[高積雲](名)

〘天〙高さ二~七キロメートルの上空に現れる、丸く大きな雲のかたまり。むら雲。ひつじぐも。

「三省堂国語辞典 第七版」

こうそううん[高層雲](名)

〘天〙高さ二~七キロメートルの上空に広がる、灰色で青みがかったベール状の雲。おぼろぐも。

「三省堂国語辞典 第七版」

らんそううん[乱層雲](名)

〘天〙低い空に広がる、暗い雲。雨や雪を降らせる。あまぐも。

「三省堂国語辞典 第七版」

そうせきうん[層積雲](名)

〘天〙二千メートル以下の空にあらわれる、灰色でむらのある雲。くもり雲。

「三省堂国語辞典 第七版」

そううん[層雲](名)

〘天〙層となって低い空にあらわれる、霧に似た雲。きりぐも。

「三省堂国語辞典 第七版」

せきうん[積雲](名)

〘天〙はれた夏の午後、空の低い所にうかぶ、大きなかたまりとなった雲。わたぐも。

「三省堂国語辞典 第七版」

せきらんうん[積乱雲](名)

〘天〙夏に多い、山のように高くもりあがる大きな雲。雨や雷をともなうことが多い。入道雲。雷雲。

「三省堂国語辞典 第七版」

驚いたのは、すべての雲が辞書の見出し語になっていたこと。

そしてどれも三国らしい、シンプルでわかりやすい説明になっています。

また面白いのと思ったのは、それぞれの雲の別名。

けんうん[巻雲] すじぐも、まきぐも
けんせきうん[巻積雲] さば雲、いわし雲、うろこ雲
けんそううん[巻層雲] うすぐも
こうせきうん[高積雲] むら雲、ひつじぐも
こうそううん[高層雲] おぼろぐも
らんそううん[乱層雲] あまぐも
そうせきうん[層積雲] くもり雲
そううん[層雲] きりぐも
せきうん[積雲] わたぐも
せきらんうん[積乱雲] 入道雲、雷雲

 

それぞれの雲の特徴を一言で捉えた親しみのある名前が並んでいます。

高積雲を初めて「ひつじぐも」と呼んだ人は名付けのセンスがある、そんなことも考えてしまいました。

名前のないものに名前を付けるというのは、道のないところに道を作るようなもの。

先人の努力とひらめきによって、私たちの言葉は成り立っている訳ですね。

 
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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