「食料」と「食糧」の違いとは?
食べ物を意味する「しょくりょう」には「食料・食糧」という二つの漢字があります。
この二つの違いは何でしょう?
辞書には次のように出ていました。
しょくりょう[食料](名)
調理して食べる材料。食物。
「ー自給率」
「三省堂国語辞典 第七版」
しょくりょう[食糧](名)
たべもの。おもに主食をさすことば。糧食。
「ー事情・ー危機・ー難」
「三省堂国語辞典 第七版」
これによると、
- 食料=食物一般
- 食糧=おもに主食
という違いがあるようです。
なお上記の用例にもある「食料自給率」においては、食糧ではなく食料を使うのが一般的とのこと。
自給率において考慮するのはもちろん主食だけではないはずなのでこれは納得。
ただそれなら「食糧危機、食糧難」も主食だけのことではないので「食料危機、食料難」と表記しても良さそうなものですが、この表記にやや違和感を覚えるのは私だけでしょうか?
また食料と食糧のもう一つの違いは、食糧という言葉はひっくり返すこともできるということ。
りょうしょく[糧食](名)
〔文〕(貯蔵したり携行したりする)食糧。
「ーが欠乏する」
「三省堂国語辞典 第七版」
糧という漢字にはもともと「貯蔵、携行できる食物」という意味があるそうです。
現在世界の主食となっている米・麦などは貯蔵、携行できることから「食糧=おもに主食」という意味が生まれたのでしょうか。
なお糧は一文字で次のような読み方もできます。
かて[糧](名)
①食料。
②たいせつなやしないとなるもの。
「心のー」
「三省堂国語辞典 第七版」
心の糧というときの糧は貯蔵、携行できるから糧なんですね。
こんなところまで見てくると、似たような言葉の中にさまざまなイメージの広がりがあるということを実感します。
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