「飢える」と「餓える」の違いとは?

飽食の国、そして食料廃棄率世界第一位の国、日本。

そんな国でも人々はさまざまなものに飢えています。

うえる[飢える・▽餓える]ウヱル(自下一)

①食べ物がなく、おなかのすいた状態が続く。

②ほしいものごとが得られない状態が続く。

「愛情にー・活字にー」

「三省堂国語辞典 第七版」

ほしいものごとが得られない状態を「飢える」と言うのだとすれば、日本人の大半は飢えているのでは?と言ったら言い過ぎでしょうか。

かく言う自分もこのところ甘いものに飢えている状態。今週健康診断があるので、血糖値が心配で甘いものを控えているのです。

それはさておき、先ほどの見出しを見ると「飢える・餓える」という二つの漢字が併記されています。

この二つを重ねるとこんな熟語に。

きが[飢餓・×饑餓](名)

飢え。

「ーにひん(瀕)する」

「三省堂国語辞典 第七版」

この「飢」と「餓」という漢字に何か質的な違いはあるのでしょうか?

あちこち調べていたら、漢和辞典に次のような説明を見つけました。

類義語【餓・飢】

ともに飢えている意を表すが、食べ物がなくて腹をすかせている状態を「飢」といい、「餓」は飢えて死ぬ恐れがある程度にまで至った状態を指す。

「全訳 漢辞海 第三版」

なるほど。同じ飢える(餓える)でも程度がかなり違うんですね。

要は「甘いものに飢えている」とは言えても「甘いものに餓えている」とは言えないということなのでしょう。

いずれにせよ、たかだか甘いもので飢えているなんて言わずに自分を律していかなくては。。。と思わされた漢和辞典の説明でした。

 
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