湯湯婆と湯婆

国語辞典をパラパラと眺めていたら、こんな項目を見つけました。

ゆたんぽ【湯湯婆】

〘名〙 (「たんぽ」に、さらに「湯」を重ねたもの。「たん」 「ぽ」は、それぞれ「湯」 「婆」の唐宋音) 保温のために温湯を入れる、金属製または陶製の容器。蒲団の中に入れて用いる。…

「精選版 日本国語大辞典」

なるほど。「ゆたんぽ」は漢字で「湯湯婆」と書くんですね。

ゆたんぽ=「たんぽ」に、さらに「湯」を重ねたもの

ということは、ゆたんぽの他にたんぽという言葉もあるのでしょうか?

調べてみると見つかりました。

たんぽ【湯婆】

〘名〙 (「たん」 「ぽ」はそれぞれ「湯」 「婆」の唐宋音)

①金属または陶器などで作り、中に湯を入れて、腰や足などをあたためるのに用いる器。ゆたんぽ。…

「精選版 日本国語大辞典」

それでは、湯湯婆と湯婆に何か違いはあるのでしょうか?

語源由来辞典によれば、たんぽという言葉が日本語に入ってきたときに、それだけだと意味が通じなかったので「湯」を付け足したとのこと。

ゆ(湯)+たんぽ(湯婆)=ゆたんぽ(湯湯婆)

となり、結果として湯の文字が重なってしまったということなのでしょう。

なかなか面白い成り立ちですね。

 
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