山歩きのきろく(3)− 秋晴れの木曽駒ヶ岳[2018.10]
平日の連休があったので、中央アルプスの木曽駒ヶ岳に登って来ました。
木曽駒ヶ岳は中央アルプスの最高峰(2,956m)。ただしロープウェイで2,612m地点の千畳敷駅まで上がることができるので、そこから4時間程度で山頂まで往復できます。
木曽駒ヶ岳への行き方
ベースになるのは長野県の駒ヶ根市。今回は高速バスを利用することにしました。
バスタ新宿から約1時間ごとにバスが出ています。片道約4時間。
往復の高速バスと路線バスとロープウェイのセット券(10,000円)があったので、今回はそちらを購入。
首都圏から日帰りすることも不可能ではないですが、余裕を持って行きたかったので、駒ヶ根市内のビジネスホテルに前泊し、翌朝から登ることにしました。
当日
駒ヶ根駅前を7時半に出発する路線バスに乗車。駒ヶ岳ロープウェーの始点であるしらび平駅を目指します。所要時間は約45分。
駅前から乗ったのは自分を含めて3人くらいでしたが、途中の菅の台バスセンター(大きな駐車場がある)でたくさん人が乗り込んできて満員に。
立って乗ろうとしていた人もいましたが、運転手さんに「立ち乗りは禁止です!」と言われて、すごすごと降りていました。ただしすぐに臨時バスが来るとのこと。人気の観光地だけあって、臨機応変に対応しているようです。
立ち乗り禁止の理由はすぐにわかりました。バスセンターからロープウェイ駅へ向かう山道はかなりのつづら折り。曲がるたびに体が左右に投げ出されそうになります。運転手さんのハンドルの切り方はもはや職人芸の域。でも一歩間違えたら、、、と思うとちょっと怖い気持ちも。
30分ほどつづら折りを登り、しらび平駅に到着。ここでロープウェーに乗り換えます。基本的には30分間隔の運行ですが、臨時バスが出るくらい人が多かったのでロープウェーも増便されていました。
ロープウェーは7分半で一気に2,612mの千畳敷駅へ。ここには何とホテルがあります。
新緑や紅葉の季節はもちろん、冬に泊まって一面の雪景色を見るというのもよさそうですね。
それではさっそく出発。。。の前に併設のカフェで30分ほどゆっくりすることに。
昔、アメリカのロッキー山脈で高山病になった経験があって、高所に弱いと自覚していたので念のため高所に体を慣らせておく目的です。コーヒーときのこのスープをいただきました。
9時半に出発。建物を一歩出ると千畳敷カールの雄大な景色が広がっていました。
カール(名)〔ド Kar〕
〘地〙氷河にけずり取られてできた、山の間の、半円形のくぼ地。圏谷。〔日本では、日高山脈などに見られる〕
「三省堂国語辞典 第七版」
本格的な紅葉まではもう少しというところ。ただ空の色がすごい。塗装したような青で雲ひとつありません。
そんな空を見上げながら遊歩道を歩いていくと登山道の入口に到着。
ここから中間地点の乗越浄土(のっこしじょうど)へ向かう岩の道を登ります。この時はまだ知りませんでしたが、駒ヶ岳への登山道においてはこの登りがハイライト。もっとも厳しい道だと思います。
振り向くと、さきほど出発したばかりの千畳敷駅があっという間に小さくなっていました。
なるべく息を切らさないように、前の人のペースに合わせてゆっくりゆっくり登って行きます。1時間ほどで乗越浄土へ到着。
ここで持ってきたチョコレートを食べながら休憩。
その後、2,925mの中岳へ向かいます。このルートは比較的楽であっという間に到着。
ここでようやく目的地の駒ヶ岳が見えました。「ついに見えた!」という嬉しい気持ちと「一旦下るの?」という悲しい気持ちが半々でしょうか。
とにもかくにも一旦下って、駒ヶ岳山頂へ向けて登り返し。目の前に目的地が見えていると、つい歩くペースが速くなってしまいます。
無心で歩を進めていると、ほどなく山頂へ到着。 時刻はまだ11時半。休憩も含めて、千畳敷駅から2時間ほどの道のりでした。
山頂には神社がありました。
山頂からは甲斐駒ヶ岳や北岳といった南アルプスの主峰だけでなく、遠くに台形の富士山も見えました。
水墨画のような山容を楽しみながらヤマザキのアップルパイをいただきます。もう少しまともな昼食を持ってくればよかったのですが。。。
コッヘルとシングルバーナーでラーメンを作っている人を見てうらやましくなったので、次こそは自分も!と決意しました。
その後しばらくぼんやりした後、12時頃に下山開始。下りは浮石を踏まないように気を遣います。
さくさく降りて13時過ぎには千畳敷カールに戻ってきました。
最後に遊歩道をぐるっと回って千畳敷カールとの別れを惜しみます。
下山後は南信州ビール直営レストラン味わい工房へ。
ゴールデンエールとフィッシュ&チップスを注文。登山後のビールは最高です!
後からもう一品くらい頼もうと思っていたのですが、フィッシュ&チップスの量があまりに多く断念。しかし大変美味しくいただきました。
その後、徒歩圏内にある早太郎温泉こまくさの湯へ。
一休みしてから17時発の高速バスで帰ります。一泊二日の中央アルプス木曽駒ヶ岳ぶらり旅でした。