言+語=言語

「言語」ということばは「言」うという漢字と「語」るという漢字からできています。

では言うと語るはどのように違うのでしょう?

いう[言う・×云う]イフ〔発音はユー〕

一(他五)

①ことばを口から出す。ことばに出す。

②〔考え・気持ちなどを〕ことばであらわす。

「三省堂国語辞典 第七版」

かたる[語る](他五)

①〔物語や思い出話などを〕話す。のべる。

②節をつけて読む。

「三省堂国語辞典 第七版」

なるほど。語るの方には物語性があるんですね。

言われてみればたしかにそうかなとも思います。

この両者の違いについて漢和辞典に面白い記述が出ていました。

類義語【言・語】

ともに話す意であるが、自分からいうのを「言」、互いに談話するのを「語」という。一説に、自分のことをいうのを「言」、人のために話をするのを「語」とする。

「全訳 漢辞海 第三版」

特に注目したのは「一説に〜」の部分。

  • 言=自分のことをいう
  • 語=人のために話をする

自分のことを「言」ってばかりの人がいたらうんざりしますし、人のために「語」ってばかりの人がいたら押し付けがましいと感じます。要は両者のバランスが大切ということでしょうか。

もちろんこの説明が現代日本語の動詞「言う・語る」にそのまま当てはまるわけではありません。

ただ言語やそれを介したコミュニケーションというものについて考えるとき、「言語」ということばの中にそのような意味が内在している(かもしれない)ということを知っておいても損はないでしょう。

単純に面白い視点だなと思ったのでメモしておきたいと思います。

 
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