まないた、きりばん、さいばん

先日、古くなっていたまな板を買い換えたときのこと。

まな板の「まな」って何だろう?

という疑問が浮かんだので、辞書を調べてみました。

まないた【俎板・俎・真魚板】

〘名〙 (「まな」は食用の魚の意)

①魚を料理するのに用いる板。また、広く食物などを包丁で料理するのに用いる厚い板。菜板さいばん。切盤きりばん

語誌 現代日本語方言では、広く一般的に用いられているのは「まないた」であるが、その周辺に「きりばん」「さいばん」の地域(東北地方、千葉、茨城の一部、能登半島、九州)が分布している。この分布の仕方から判断すると、「さいばん」がもっとも古い語形かと考えられるが、「まないた」も挙例の「十巻本和名抄」に見えるから、かなり古い。

「精選版 日本国語大辞典」

これによると、まな板の「まな」は食用の魚という意味。

語釈も「魚を料理するのに用いる板」という説明から始まっています。

ウチのまな板ではほとんど魚を切ったことがないので、本来の使い方をしていなかった(?)ということになるのでしょうか。

また面白いなと思ったのは、まな板に「きりばん、さいばん」の異名があるということ。

調べてみると、日国では両方とも見出し語になっていました。

きりばん【切盤】

〘名〙 食物などを包丁で切るときに用いる板。まないた。…

「精選版 日本国語大辞典」

さいばん【菜板】

〘名〙 まな板。…

「精選版 日本国語大辞典」

さきほどの説明できりばん、さいばんの地域として挙げられている東北地方、千葉、茨城の一部、能登半島、九州の人に会ったら、これらの言葉を知っているか尋ねてみたいものです。

実際に使っている人、知っている人はどれくらいいるのでしょう?

 
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