フィンランド語学習記 vol.686 − kyky

「能力」を意味するフィンランド語 kyky。

この単語の格変化を見ていて「あれっ?」と思ったことが一つ。

属格 〜の kyvyn
分格 〜を kykyä
内格 〜の中で/に kyvyssä
出格 〜の中から kyvystä
入格 〜の中へ kykyyn
接格 〜の表面で/に kyvyllä
離格 〜の表面から kyvyltä
向格 〜の表面へ kyvylle
変格 〜に(なる) kyvyksi
様格 〜として kykynä

 

例えば属格の場合、

kyky → *kyyn

のように[k→×]の変化を予想したのですが、実際は、

kyky → kyvyn

のように[k→v]の変化になっています。

そこで改めて kpt 変化の表を眺めてみると、、、

kk ←→ k
k ←→ ×
uku ←→ uvu
yky ←→ yvy
nk ←→ ng
lke ←→ lje
rke ←→ rje
hke ←→ hje
pp ←→ p
p ←→ v
mp ←→ mm
tt ←→ t
t ←→ d
nt ←→ nn
lt ←→ ll
rt ←→ rr

 

[k→×]という一般的なルールの下に[uku→uvu][yky→yvy]という例外的なルールもあることがわかります。

言われてみると確かにそんな変化もあったなと思いますが、あまり見ない形なのですっかり忘れていました。備忘録としてここに書き留めておきます。