ぬらぬら、ぬるぬる、ぬめぬめ実験

日本語であれ、他の言語であれ、似ているようで微妙に異なる単語のペアってありますよね。

国語辞書を眺めていたらこんな単語のペアが気になりました。

ぬらぬら

(副・自サ)表面が水分をふくみ、〈ねばりつくようで/すべりやすくて〉、気味が悪いようす。

「ーしたヘビのはだ」

(名)ぬらぬらした成分。

「三省堂国語辞典 第七版」

ぬるぬる

(副・自サ)水分をふくみ、〈ねばりつく/すべりやすい〉ようす。

「手がーする・ーしたウナギ」

(名)ぬるぬるした成分。

「三省堂国語辞典 第七版」

両者の語釈はほぼ同じ。ただぬらぬらの方にだけ「気味が悪いようす」と書かれています。

「ぬるぬる」は「ぬらぬら」ほど気味が悪くはないということなのでしょうか?

また「ぬらぬら、ぬるぬる」にはこんな仲間もいます。

ぬめぬめ(副・自サ)

なめらかでしめりけをおび、つやのあるようす。

「ーしたナメクジ」

面白いのは、各語の用例に使われている生き物が異なっているところ。

  • ぬらぬら → ヘビ
  • ぬるぬる → ウナギ
  • ぬめぬめ → ナメクジ

へびはぬらぬら、ウナギはぬるぬる、ナメクジはぬめぬめ。

この中の一つを触らなければならないとしたらウナギを選ぶと思いますが、だからといって「ぬるぬる」が他の二つより好感触(?)とも思えません。

例えばこんな実験はどうだろう?と想像してしまいます。

 

ぬらぬら、ぬるぬる、ぬめぬめ実験

「ぬらぬら、ぬるぬる、ぬめぬめ」と表に書かれた三つの箱があって、それぞれの箱には見えないように「ヘビ、ウナギ、ナメクジ」が入っています。

箱には丸い穴が空いていますが、中身は見えません。

参加者は一つの箱を選び、穴から手を突っ込んで中身をぎゅっと掴まなければなりません。

最も多く選ばれるのは「ぬらぬら、ぬるぬる、ぬめぬめ」のどれでしょう?

この状況をリアルに想像してみると、やはり辞書に気味が悪いという記述のあった「ぬらぬら」は選びにくいような気もします。みなさんならどれを選びますか?