水菓子とは?

水菓子という言葉から思い浮かべるお菓子の種類は何でしょう?

水ようかん?

それともゼリー?

辞書を引いてみると、次のように出ています。

みずがし[水菓子](名)

①〔古風〕くだもの。

②〔俗〕水ようかん・くずもちなど。

「三省堂国語辞典 第七版」

みずがし 【水菓子】

「果物」の意の古風な表現。

「新明解国語辞典 第七版」

水菓子というのは本来、果物のことなんですね。

それでは、なぜ果物のことを菓子と呼んだのでしょう? 調べてみると、菓子というのはもともと果物を指す言葉だったということがわかってきました。

かし【菓子・果子】

〘名〙 食事以外に食べる甘味などの嗜好品。もと、果物をさしたが、現在ではもっぱら米粉、小麦粉、餠などに砂糖、餡あんの類を加えるなどして製した嗜好本位の食物をいい、果物のことは水菓子という。大きく、和菓子と洋菓子、生菓子と干菓子などに分けられる。

「精選版 日本国語大辞典」

つまりもともとは、

菓子→果物

だったのが、様々な種類の菓子が生まれたことで、

果物→水菓子

となり、さらに「菓子=果物」というイメージが薄れたことで、

水菓子→水ようかん・ゼリー・その他

という新たな解釈が生まれたということ。

こうして見ると、実にダイナミックな言葉の移り変わりではないでしょうか。