フィンランド語学習記 vol.771 − 続・続・分格に関する素朴な疑問

以前のエントリーで、いわゆる分けられる名詞(=不可算名詞)が目的語に来るとき、その目的語を分格と対格のどちらの形にするのかが難しいという問題について書きました。

私たちは食事を作った(tehdä)。
→ × Me teimme ruoan.
→ ◯ Me teimme ruokaa.

フィンランド語学習記 vol.762 − 続・分格に関する素朴な疑問

その後、英語で書かれたフィンランド語の文法書「Finnish: An Essential Grammar」を読んでいたらこんな例文を見つけました。

Affirmative Negative
Silja joi maidon.
Silja drank the milk.
Silja ei juonut maitoa.
Silja didn’t drink the/any milk.
Silja joi maitoa.
Silja drank (some) milk.

 

「Finnish: An Essential Grammar」P.135

以前にも思ったことですが、フィンランド語の対格/分格は英語の定冠詞/不定冠詞と比較するとわかりやすいと思います。まとめると、

  • 何らかの文脈があって(その)牛乳を飲んだと言いたい場合は対格(Silja joi maidon.)
  • 単に牛乳を飲んだと言いたい場合は分格(Silja joi maitoa.)
  • 否定文の場合はいずれも分格(Silja ei juonut maitoa.)

という使い分けになっています。

もちろんこの原則だけですべてが割り切れる訳ではないでしょうが、今まで読んだ説明の中では一番すっきりとまとまっているような気がします。いかがでしょう?

 

Finnish: An Essential Grammar (Routledge Essential Grammars)
Fred Karlsson
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