フィンランド語学習記 vol.163 − 人称代名詞の出格
最近のフィンランド語教室では、人称代名詞の様々な形を習っています。
フィンランド語学習記 vol.155 − 人称代名詞の分格 | Fragments
フィンランド語学習記 vol.159 − 人称代名詞の対格 | Fragments
分格・対格に続いて、人称代名詞の出格[-sta/-stä]も習いました。
分格(〜を) | 対格(〜を) | 出格(〜から) | |
---|---|---|---|
私 | minua | minut | minusta |
あなた | sinua | sinut | sinusta |
彼/彼女 | häntä | hänet | hänestä |
私たち | meitä | meidät | meistä |
あなたたち | teitä | teidät | teistä |
彼ら/彼女ら | heitä | heidät | heistä |
出格の一般的な使い方については、以前のエントリーにまとめています。
フィンランド語学習記 vol.153 − 出格の使い方まとめ | Fragments
ここでは簡単におさらいしておきましょう。
1)〜から
Liisa on Suomesta.(リーサはフィンランドから来ました。)
*Suomi(フィンランド)
*Suomi(フィンランド)
フィンランド語の出格は「〜から」という意味を表します。
2)〜について
Kaikki puhuvat Liisasta.(誰もがリーサについて話します。)
*kaikki(全て)、puhua(話す)
*kaikki(全て)、puhua(話す)
フィンランド語の出格は「〜について」という意味を表します。
3)好きの目的語
Kaikki tykkäävät Liisasta.(誰もがリーサを好きです。)
*tykkää(好き)
*tykkää(好き)
「好き」を意味する動詞 tykätä, pitää は目的語が出格の形になります。
ここまでは以前のエントリーでも紹介した使い方。
そして今回新しく習ったのは、人称代名詞の出格を使った次のような表現。
4)〜の考えでは
Minusta suklaa on ihanaa.(私の考えでは、チョコレートというのは素晴らしい。)
*suklaa(チョコレート)、ihana(素晴らしい)
*suklaa(チョコレート)、ihana(素晴らしい)
フィンランド語の出格は「〜の考えでは」という意味も表すとのこと。
これはさまざまな場面で使えそうな表現ですね。
まとめ
最初に出格を習ったときには「出格=〜から」と覚えていたのですが、こうして眺めてみると、それだけではカバーできないくらい様々な用法が出てきました。
中核の意味があり、そこから周縁的な意味が派生するこのあたりの感覚は、英語の前置詞に近いものがあると思います。
英語を使いこなすには前置詞の習得がポイントであるように、フィンランド語を使いこなすには格変化の習得がポイントであるというのが、実感としてわかってきたような気がします。
3月 09, 2014 @ 23:04:09
こんばんは
sta/stäそのものに「〜の考えでは」という意味はありませんで,minustaは,minun mielestä(私の考えでは)またはminun ajatuksesta(私の考えでは)を省略してminustaとなったものです。
mieli=思い,考え ajatus=考え,思い
今すぐに思いつきませんが,日本語でもこういう省略ってありますよね。
3月 17, 2014 @ 11:17:09
Jussiさん
コメントありがとうございます。なるほど、そういう成り立ちの経緯があったのですね。
そのように考えると、非常に納得できます!