フィンランド語学習記 vol.180 − マッティは観劇中

photo credit: Thomas Hawk via photopin cc
フィンランド語教室62週目のレポート。
この日は先学期の復習が中心。
しかしその中で内格[-ssA]と接格[-llA]の使い分けに関して、新しい内容を教わったので書き留めておきます。
まずは以前に習った内容の整理から。
フィンランド語で「〜に(いる)」という意味を表したいときには、内格[-ssA]を使う場合と接格[-llA]を使う場合があります。
[接格]Anna on Venäjällä.(アンナはロシアにいます。)
*Suomi(フィンランド)、Venäjä(ロシア)
フィンランド語の内格[-ssA]は「〜の中に」、接格[-llA]は「〜の上に」という意味を表します。
しかしそのような中核の意味とはあまり関係なく、フィンランドなら「フィンランドの中に」、ロシアなら「ロシアの上に」という形をとるのが文法上のルール。
国によって、内格[-ssA]と接格[-llA]のどちらを使うのかはあらかじめ決まっています。
ロシアは、縦横にどーんと広い国なので「ロシアの上に」という形になるのでしょうか??
いずれにせよ、国名の場合は接格[-llA]を使うのがロシアくらいなので、ロシアは例外と覚えておけば何とかなります。
しかしこれがフィンランドの都市名になると、もう少し複雑。
[接格]Aki on Tampereella.(アキはタンペレにいます。)
*Helsinki(ヘルシンキ)、Tampere(タンペレ)
ヘルシンキなら「ヘルシンキの中に」、タンペレなら「タンペレの上に」という形をとるのが文法上のルール。
こちらも街によって、内格[-ssA]と接格[-llA]のどちらを使うのかはあらかじめ決まっています。
こちらはさきほどの国名と異なり、さまざまな組み合わせが存在します。そのため一つずつ頑張って覚えるしかありません。
。。。と、ここまでが以前に習った内容のまとめ。
今回のフィンランド語教室ではさらに次のような用法を習いました。
[接格]Kati on teatterilla.(カティは劇場のあたりにいます。)
*teatteri(劇場)
同じ劇場でも内格[-ssA]を使うと「劇を観ている」という意味になり、接格[-llA]を使うと「劇場のあたりにいる」という意味になるのだとか。
内格の方は、その建物が持つ「機能」そのものと結びついているんですね。
とはいえ、このルールがあらゆる建物に適用される訳ではありません。
[接格]Pekka on asemalla.(ペッカは駅にいます。)
*asema(駅)
先生曰く、駅の場合は内格[-ssA]ではなく接格[-llA]を使うのがルールなのだとか。
駅の場合はその中で何かをするというより、通過するための場所なので、建物の機能と結びつく内格[-ssA]は使わないということなのかもしれません。
以上、また一つフィンランド語の「格」の奥深さを知ったというお話でした。