フィンランド語学習記 vol.208 − 家から家へ
まずは次の英文をご覧ください。
I’m going home.(家へ行く。)
I’m home.(家にいる。)
I’m coming from home.(家から来る。)
I’m home.(家にいる。)
I’m coming from home.(家から来る。)
英語の home という副詞は一語で「家へ」「家に」という意味になります。
それに対して「家から」と言いたいときには、前置詞 from を補ってあげなければなりません。
そういう意味では、英語の「家」というのは行きと帰りで非対称な形になっていると言えるでしょう。
〜へ | 〜から | |
---|---|---|
家 | home | from home |
A地点 | to A | from A |
一方、フィンランド語の場合は「家へ」「家に」「家から」のそれぞれに対して固有の形が割り当てられています。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
kotiin | home | 家へ |
kotona | (at)home | 家に |
kotoa | from home | 家から |
Menen kotiin.(家へ行く。)
Olen kotona.(家にいる。)
Tulen kotoa.(家から来る。)
*mennä(行く)、olla(いる)、tulla(来る)
Olen kotona.(家にいる。)
Tulen kotoa.(家から来る。)
*mennä(行く)、olla(いる)、tulla(来る)
この3語はフィンランド語の通常の格変化のルールからちょっと外れています。よってそのまま覚えるよりほかありません。
英語のシステム、フィンランド語のシステム、そして日本語のシステム。もっとも効率的で覚えやすいのは、いったいどのシステムでしょう?