『はじめてのマインドフルネス − 26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法』
『はじめてのマインドフルネス − 26枚の名画に学ぶ幸せに生きる方法』という本を読みました。
著者はクリストフ ・アンドレというフランスの精神科医の方。
本の帯には「ストレスに強い心をつくる」「人生に息切れしないために」という文言が並んでいます。
先日、銀座のブックファーストに行った際に、たまたま面陳されていた本書の表紙の雰囲気に惹かれて購入。とても素晴らしい本だったので、紹介したいと思います。
それにしても、最近本屋さんに行くとマインドフルネスに関する本をたくさん見かけるようになりました。
マインドフルネスというのは、一言で言えば、過去や未来ではなく「今」に注意と意識を向けることによって、心の安定を目指すためのトレーニング。
もともとは仏教の瞑想に由来するそうなので、日本人にとって馴染みのある考え方も多く取り入れられています。
例えば、私たちの心というのは、普段休むことなく「思考」を生み出しています。
「何も考えないようにしよう」と決めて静かに座っていたとしても、ついやり残した仕事のこと、友人に言われた一言、将来の不安など、さまざまな想念が心に浮かんでは消えていきます。
心のおしゃべりはとりとめがない。だが、自分の呼吸を感じ、鼓動を感じているうちに、それもゆっくりと静まってくる。時折、心はまたおしゃべりをする。でも、彼はそのおしゃべりを、落ち葉を見ているように、ただ眺める。ちょっと距離をとって観察する。
P.68 第5章「思考を観察する」より
マインドフルネスの一つの方法に、このように思考をただ静かに観察するというものがあります。
ただ実践してみるとわかりますが、これが案外難しい。最初は客観的に思考を眺めているつもりでも、いつのまにか思考の渦に捉われていることがよくあります。
また本書の最大の特徴はこのマインドフルネスの解説を26枚の絵画を使って行うということ。
古今の名画の中から、人の様々な思考様式や在り方を読み取り、それをマインドフルネスの実践に結びつけていくのです。
このアプローチがとても新鮮で、一章一章味わうように読み進めることができました。
これからマインドフルネスを始めてみようという人にも、すでに実践しているという人にも、おすすめできる一冊だと思います。
紀伊國屋書店
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