フィンランド語学習記 vol.434 − kysyä

フィンランド語の動詞 kysyä(質問する)の使い方に関する覚書です。

いわゆる英語の ask に当たる動詞ですが、後続の語の格変化が少々変わっているので注意が必要。

フィンランド語の語法書『Tarkista Tästä』には、次のような説明が出ていました。

KYSYÄ(verbi, transit)

kysyä + O par Kysyin neuvoa lääkäriltä.
kysyä + N ela/abl Mistä voin kysyä asiaa?

 

『Tarkista Tästä』P.66

最初の ‘Kysyin neuvoa lääkäriltä.’(私は医者にアドバイスを求めた。)という例文では、後続の単語が次のように格変化しています。

分格
〜を
離格
〜から
Kysyin neuvoa lääkäriltä.
neuvo lääkäri

 

個々の単語は「私は尋ねた(Kysyin)」「アドバイスを(neuvoa)」「医者から(lääkäriltä)」という形になっています。

この中で難しいのは lääkäriltä という形。

同様の意味を伝えるときに、日本語では「医者にアドバイスを求めた」、英語では ‘I asked the doctor for advice.’ と言うのが普通なので、ここで離格(〜から)を使うという発想が浮かびません。

おそらくフィンランド語の場合は「相手に尋ねる」というより「相手から答えを引き出す」という発想なのでしょう。

実際、アドバイスを求めると言うときのアドバイスの動きは「私→医者」ではなく「私←医者」なのですから、フィンランド語の構造は十分にロジカルです。

ただいつもそうであるように、頭で理解することとぱっと言えるようになることの間には大きな溝があります。日本語や英語の構造に慣れた頭で kysyä を使いこなすには、練習あるのみ!なのでしょう。