起こったことを、起こらなかったことに

17071501

英語の[un-]という接頭辞は、動詞に付くと反対の動作を意味します。

わかりやすいのは、こんな例でしょうか。

fold(〜を折りたたむ) unfold(〜を広げる)

 

あるいは次のような日常の動作にも。

dress(〜の服を着せる) undress(〜の服を脱がせる)
lock(〜の鍵をかける) unlock(〜の鍵を開ける)
plug(〜のプラグを差す) unplug(〜のプラグを抜く)

 

折りたたんだものを広げる、プラグを差したら抜く。

それはわかるのですが、次の場合はどうでしょう?

happen(起こる) unhappen(???)

 

起こったことを、、、起こらなかったことに?

この動詞を使えば、タイムマシンに乗って、過去にさかのぼることができるのでしょうか?

この unhappen を理解するのにぴったりの例文が Wiktionary に出ていたので引用してみます。

unhappen

(intransitive) To cease to have happened; to undo itself.

I wish everything that happened between us could unhappen, and we could start again.

「Wiktionary」

やはり unhappen は「起こったことを、起こらなかったことにする」の意味。

ことばというのは現実の反映であるとともに、私たちの思考の反映でもある訳ですから、こういう動詞があっても不思議ではありません。

むしろ unhappen したいことが次から次へと押し寄せてくるのが日々の現実、と言ったらネガティブ過ぎるでしょうか?