『なくなりそうな世界のことば』

17092901

先日、新宿の紀伊国屋書店に行ったときに、書棚で見かけたのがこちらの本。

なくなりそうな世界のことば

これはずるい。一瞥しただけですぐにレジに持っていってしまいました。

『なくなりそうな世界のことば』は、世界の50の少数言語を選んで、その言語特有のユニークな表現を素敵な絵とともに紹介する一冊。

掲載されている50の言語は話者数の多いものから少ないものへと並べられています。その一覧を見てみましょう。

  • アヤクチョ・ケチュア語(900,000人)
  • ネワール語(830,000人)
  • バスク語(714,000人)
  • ジンポー語(650,000人)
  • ウェールズ語(562,000人)
  • シナー語(500,000人)
  • サハ語(450,000人)
  • ティディム・チン語(350,000人)
  • ブリヤート語(300,000人)
  • フィジー語(300,000人)
  • トゥバ語(280,000人)
  • ラマホロット語(200,000人)
  • コワール語(200,000人)
  • ヘレロ語(200,000人)
  • マテンゴ語(160,000人)
  • カルデラーシ・ロマニー語(150,000人)
  • アイルランド語(138,000人)
  • トク・ピシン(122,000人)
  • ラダック語(117,000人)
  • ブルシャスキー語(100,000人)
  • ダグール語(96,100人)
  • ドホイ語(80,000人)
  • ラワン語(62,000人)
  • ボントック語(40,000人)
  • サーミ語(35,000人)
  • アミ語(30,000人)
  • ワヒー語(30,000人)
  • ポポロカ語(20,000人)
  • シベ語(20,000人余り)
  • ドム語(16,000人)
  • セデック語(10,000人以下)
  • テオティトラン・デル・バイェ・サポテク語(5,000人)
  • カラーシャ語(5,000人)
  • メチェ語(4,500人)
  • コリャーク語(2,000人)
  • ハワイ語(2,000人)
  • ナーナイ語(500人)
  • サタワル語(460人)
  • ウルチャ語(100人)
  • ツィムシアン語(100人)
  • ニヴフ語(100人以下)
  • ハイダ語(100人以下)
  • ドマーキ語(100人以下)
  • ウデヘ語(100人以下)
  • ウイルタ語(10人)
  • スライアモン語(10人)
  • アルタ語(10人)
  • イテリメン語(10人以下)
  • アイヌ語(5人)
  • 大アンダマン混成語(0人)

北欧のラップランドで話されているサーミ語からは「太陽の出ない季節」を意味する skábma(スカーマ)という単語が取り上げられていました。

上記の話者数は各ページの端にも書かれており、ページをパラパラマンガのようにめくると900,000から0へ数字がカウントダウンされる体裁になっています。

現在世界には約7,000の言語があるとされていますが、一説によるとその半分は今世紀中に消滅してしまうとのこと。

そういう意味で、私たちが今生きている21世紀というのは消えゆく言語の世紀と言えます。

今私たちにできることは、せめてそれらの言語が持つ豊かな世界に思いを馳せ、想像を膨らませてみること。本書はそのきっかけを与えてくれる素敵な一冊です。

 

なくなりそうな世界のことば
吉岡 乾
創元社
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