「煮詰まる」と「行き詰まる」の違いとは?
ある会社の定例会議。
現状を打開するための方策を話し合っていたものの、議論は一向に噛み合わず。
すっかり煮詰まってしまったので、一時休憩となりました。
。。。こんな時に使っていた「煮詰まる」という表現。実は誤用であるということを最近知りました。
新明解の「煮詰まる」の語義を見てみましょう。
につまる【煮詰まる】
- 煮えて鍋の中の水気が(ほとんど)無くなる。「汁が煮詰まったところで火を止める」
- 会議などで、議論が出尽くして、結論が出せる状態に近づく。「話合いがー」〔問題の解決処理に行き詰まる意に用いることもあるが、誤り〕
「新明解国語辞典 第七版」
「煮詰まる」というのは結論に近づくことであり、行き詰まることではないと定義されています。
たしかに煮物を作ろうとして鍋を火にかけたのであれば、煮詰まること自体は目的に適っており、何ら悪いことではありません。
せっかくなので「行き詰まる」の語義も見てみましょう。
ゆきづまる【行き詰まる】
道が無くて先へ行けなくなる。いきづまる。〔広義では、交渉・仕事などがうまく進まず、動きがとれなくなることを指す。例、「運動(話合い)がー」〕
「新明解国語辞典 第七版」
言われてみればたしかに「行き詰まる」というのは「煮詰まる」に比べて意味が明解。
それなら「行き詰まる」を使えばよいのですが、ついつい「煮詰まる」と言ってしまうのは自分だけでしょうか?
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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