「凸凹」と「凹凸」の違いとは?
凸凹は「でこぼこ」、凹凸は「おうとつ」。
順番を入れ替えると、訓読みと音読みが入れ替わってしまいます。
そんな凸凹と凹凸に意味の違いはあるのでしょうか?
でこぼこ【凸凹】
表面に高低があって、平らでないこと(様子)。
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『新明解国語辞典 第七版』
おうとつ【凹凸】
「でこぼこ・たかひく」の意の漢語的表現。「ーレンズ」
『新明解国語辞典 第七版』
なるほど。「凹凸」は「凸凹」の漢語的表現なんですね。
意味そのものは同じなのに、順番を入れ替えただけで読み方が変わってしまう、そんな漢字の世界は不思議なもの。
中には読み方だけでなく、少しニュアンスが変わってしまうものも。
さゆう【左右】
みぎとひだり。「言をーにする〔あいまいな事ばかり言う〕」
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『新明解国語辞典 第七版』
みぎひだり【右左】
- 右と左。「ーに別れる」
- 右と左を取り違えること。逆。「足袋(タビ)がーだ」
『新明解国語辞典 第七版』
そうそう。「左右」は単に左と右ですが、「右左」には逆になっているニュアンスがありますよね。
そういえば、以前に紹介した「表裏」と「裏表」も同じような関係でした。
あるいは、片方に面白い意味が添加されているものも。
ふうう【風雨】
- 風と雨。「ーにさらされる」
- 強い風を伴う雨。「ー注意報」
『新明解国語辞典 第七版』
あめかぜ【雨風】
- 雨と風。「ーをしのぐ〔=社会に出て受ける苦しみや屈辱に堪えるの意にも用いられる〕」
- [関西方言]酒と甘い菓子の両方好きなこと(人)の称。
『新明解国語辞典 第七版』
気象情報に用いられるのは「風雨」の方。一方「雨風」には酒と甘い菓子が好きという方言があるんですね。味わいのある言い回しです。
以上、今回は順番を入れ替えると訓読みと音読みが入れ替わってしまう熟語をいくつか紹介してみました。
日本語の奥深さを感じますね!