ノコノコとやって来る

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小学生のときに初めて買ってもらったファミコンのソフト『スーパーマリオブラザーズ』にノコノコというカメのキャラクターが出てきました。
甲羅を上からひゅっと踏みつけて、ぱかんと蹴っ飛ばし、溝に落としてやっつけます。
全然強い敵ではないのですが、どこか愛嬌があって、その後のシリーズにも必ず登場する名物キャラクターの一つでした。
その「ノコノコ」を辞書で引いてみると、次のような語義が出ています。
のこのこ
常識ある人間なら遠慮する状況なのに、当人は少しも気にするふうもなくその場に現われる様子。「今ごろになってーやって来るなんて」
「新明解国語辞典 第七版」
のこのこというのは、このようにかなり辛辣な意味の単語。恥知らずというニュアンスが込められています。
ノコノコの立場からすれば、マリオを倒すためにせっせと頑張っているというのに散々な言われよう。
なおスーパーマリオブラザーズのノコノコには甲羅が緑色のものと赤色のものの二種類があって、緑色のものは溝があってもそのまま突っ込んでしまう猛進型、赤色のものは溝があるとUターンする慎重型。
大半のノコノコは緑色なので、マリオに踏みつけられなくても溝にすとんと落ちてしまいます。
そんなノコノコの様子を思い浮かべていると、のこのこには「恥知らず」の他に「まぬけ」という意味もあるなということに思い至りました。広辞苑の語義はもう少しそちら寄りになっています。
のこのこ
危険な場所に不用意に出かけたり、出ては具合が悪い場面にのんきに現れたりするさま。
「広辞苑 第五版」
いずれにしてもノコノコというのは言い得て妙な名前。今でもマリオシリーズに出ているのかどうかはわかりませんが、末永く活躍してもらいたいと思います。
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