フィンランド語学習記 vol.351 − 所有接尾辞の使い方(2)

photo credit: Sous ses airs de chat mignon, c’est une connasse. via photopin (license)
きのうのエントリーでは所有接尾辞の使い方を簡単に紹介しました。
[所有接尾辞なし]minun kissa(私のネコ)フィンランド語学習記 vol.350 − 所有接尾辞の使い方(1)
[所有接尾辞あり]minun kissani(私のネコ)
今回はもう少し細かい話に入っていきたいと思います。
語幹をもとめる
さきほどの kissa は辞書形と語幹の形が同じなので、そのまま接尾辞[-ni]を付けていました。ただし語幹をもとめなければならない単語では、語幹に接尾辞が付くことになるので注意が必要です。
[所有接尾辞なし]minun käsi(私の手)
[所有接尾辞あり]minun käteni(私の手)
[所有接尾辞あり]minun käteni(私の手)
ここでは教科書に出ていた6つの単語に、一人称単数の所有接尾辞[-ni]を付ける際の手順を追いかけてみたいと思います。
- nimi(名前)
- lehti(葉、新聞)
- koti(家)
- kysymys(質問)
- sisar(姉妹)
- osoite(住所)
これらの単語の語幹のもとめ方は次のとおり。
nimi | 語末の[i]を[e]に変える | → | nime |
lehti | 語末の[i]を[e]に変える | → | lehte |
koti | 語末の[i]を[e]に変え、、、ない(外来語なので) | → | koti |
kysymys | 語末の[s]を[kse]に変える | → | kysymykse |
sisar | 語末に[e]を足す | → | sisare |
osoite | 語末の[e]を[ee]に伸ばす | → | osoitee |
この後はただ右側の形に[-ni]を付ければよいのかな?と思いますが、ここでもう一つ気を付けなければならないことがあります。
それは kpt 交替のある単語においては、語幹は弱形ではなく強形になるということ。
上記の単語の中で kpt 交替のある単語は lehti, koti, osoite の3つで、それぞれの強形・弱形を示すと次のようになります。
強形 | 弱形 | ||
---|---|---|---|
[t] | lehte | [d] | lehde |
[t] | koti | [d] | kodi |
[tt] | osoittee | [t] | osoitee |
よって、lehte, koti はさきほどもとめた語幹をそのまま使い、osoitee は弱形→強形(逆 kpt 交替)の変化が必要ということになります。
辞書形 | 語幹 | +所有接尾辞[-ni] |
---|---|---|
nimi | nime | nimeni |
lehti | lehte, lehde | lehteni |
koti | koti, kodi | kotini |
kysymys | kysymykse | kysymykseni |
sisar | sisare | sisareni |
osoite | osoittee, osoitee | osoitteeni |
lehti の属格は lehden なのに、一人称単数の所有接尾辞が付いた形は lehteni というのは、紛らわしいところ。
気を付けていきましょう!