フィンランド語学習記 vol.464 − 兄弟姉妹

photo credit: Theo Crazzolara Kirsche + Brombeere via photopin (license)
フィンランド語で「兄弟」は veli(ヴェリ)、「姉妹」は sisar(スィサル)。
それぞれの複数形は veljet, sisaret となります。
兄弟 | 姉妹 | |
---|---|---|
単数主格 | veli | sisar |
複数主格 | veljet | sisaret |
この他、フィンランド語には原則として複数形で用いる sisarukset, veljekset という単語があります。
フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』には次のような説明が出ていました。
Sisarkuset = sisaret ja veljet keskenään tai sisaret keskenään
Veljekset = veljet keskenään
この説明によると、
- sisarukset = 姉妹+兄弟のグループ、または姉妹のみのグループ
- veljekset = 兄弟のみのグループ
という分類になるようです。
これらの単語は複数形で用いるのが原則ですが、いちおう単数形も存在します。
(単数形は複合語などで用いられる。)
兄弟 | 兄弟姉妹 | |
---|---|---|
複数主格 | veljekset | sisarukset |
単数主格 | veljes | sisarus |
このフィンランド語の表現システムでおもしろいと思ったのは、姉妹を意味する sisar から派生した sisarukset という単語が「兄弟姉妹」を意味するということ。
きょうだいが「兄弟姉妹」の意味になる日本語とは逆の対応になっています。
近年よく話題になる言語における性差別(sexism in language)の問題においては、男性優位/男性標準のケースが大半を占めている訳ですから、このフィンランド語の兄弟姉妹の表現は珍しいケースと言えるのではないでしょうか。