日本人は we を使い過ぎ?
『ウィズダム和英辞典』を眺めていたら、代名詞の we に関してちょっと気になる記述を見つけました。
LEARNER CORPUS
we 過剰使用レベル★★★★★
日本人学習者は1人称複数代名詞 we を極端に過剰使用しがちで、とくに we can … や we should [must, have to, need to] … などの形が多い。we の過剰使用は議論の安易な一般化につながる可能性があるので、使用の必然性を検討すべきであろう。このほか、所有格の our(★) にも過剰使用が認められる。
「極端に過剰使用」というのは、かなり思い切った言い回し。
日本人は本当にそこまで we を使い過ぎているのでしょうか?
手元に統計資料がある訳ではないので、実際の使用頻度についてはわかりません。
ただこの記述を読んで思ったのは、we というのは「グループ化」の単語であり、人の感情に触れることが多いのかもしれないということ。
英語の we には聞き手を含む場合と含まない場合があるので分けて考えてみましょう。
ケース1)we が聞き手を含まない場合
例えば、話し手が日本人で聞き手がアメリカ人という状況で、We Japanese… と言ったら「私たちときみたちは違う」と線引きをしているようなニュアンスがあるのかもしれません。
ケース2)we が聞き手を含む場合
例えば、話し手が日本人で聞き手が韓国人で、二人ともアメリカに留学しているという状況で、We international students… と言ったら「留学生と言ってもいろいろなんだから、いっしょにしないでほしい」と思われてしまうのかもしれません。
これらはやや穿った見方なのかもしれませんが、それでも会話の状況によって we という「グループ化」に居心地の悪さを感じる人もいるのだろうということは想像できます。
それだけに we を使い過ぎると耳につく、そして過剰使用だと思われる。そういうことなのかなと思ったのですが、いかがでしょう?
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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