theism, atheism

18040601

Oxford Dictionaries の Word of the Day(今日の英単語)に選ばれていた theism という単語が気になったので調べてみました。

theism

NOUN

Belief in the existence of a god or gods, specifically of a creator who intervenes in the universe.

Oxford Dictionaries

theism とは「有神論」、すなわちこの世界に神は存在するという信念を意味する英単語。

発音はスィーイズムとなります。

この theism という単語を見たことがないという人も、対義語の方なら見たことがあるかもしれません。

atheism

NOUN

Disbelief or lack of belief in the existence of God or gods.

Oxford Dictionaries

atheism は「無神論」、すなわちこの世界に神は存在しないという信念を意味する英単語。

発音はエイスィーイズムとなります。

theism と atheism の違いは[a-]の一文字。

英語の接頭辞[a-]には打ち消し(not)の意味があります。

例えば、左右対称を意味する symmetry(シンメトリー)に対して、非対称を意味する asymmetry(アシンメトリー)などはカタカナ語として使われることもあるので、馴染みのある人も多いのではないでしょうか。

またこの theism と atheism のペアに関してもう一つ面白い事実は、atheism の方が単語としての成り立ちは古いということ。

Oxford Dictionaries の語源の欄には次のような記述があります。

theism

Origin

Late 17th century: from Greek theos ‘god’ + -ism.

atheism

Origin

Late 16th century: from French athéisme, from Greek atheos, from a- ‘without’ + theos ‘god’.

theism は17世紀の後半から使われているのに対して、atheism は16世紀の後半から使われています。

普通ならまず theism という単語があり、そこから atheism という単語が派生するのが自然な流れでしょう。しかしこのペアに関しては逆の順番になっています。

言葉の成り立ちを想像してみれば、キリスト教圏において神が存在するということは自明であり、わざわざ theism などという単語は必要なかったはず。

そのような社会に atheism という思想が出現したのち、では「神が存在するという思想はどのように表現したらよいのか?」という要請から theism という単語が生まれたのでしょう。

そういう意味で theism と atheism は生成の過程もユニークな単語のペアだと思います。