マルティネス監督のインタビューを聞いて考えたこと

昨日(というか今朝)はサッカーワールドカップの日本・ベルギー戦を観ていました。

日本の2点目が決まったときは「もしかして」と思いましたが、やはり世界の強豪の壁は厚かった。しかし久しぶりに心が揺さぶられる、凄い試合を観たという印象。両チームに惜しみない拍手を送りたいと思います。

さて今回は試合後にベルギーのマルティネス監督のインタビューを聞いていたときに考えたことを一つ。

スペイン人のマルティネス監督ですが、インタビューには英語で答えています。

もちろんそのことは英語が世界のリンガ・フランカになった現在の世界では珍しくありませんし、国際的なスポーツにおけるインタビューでは多くの監督や選手が流暢な英語を披露しています。

このインタビューの最中にふと考えたのは、ベルギー代表チームというのは普段何語でコミュニケーションをとっているのだろう?ということ。

ベルギーはオランダ語(フラマン語)・フランス語・ドイツ語の3か国語を公用語とする国。いわゆるベルギー語という言語はありません。

良し悪しは別として、おそらくは監督がインタビューで用いていた英語を使うというのが現実的な選択肢でしょう。

異なる言語や文化を持つ選手たちをベルギー代表という一つの旗の下に団結させること。そこには日本代表のように「一代表=一言語」が当たり前の国にとっては想像できないような困難があるのかもしれません。

日本では西野監督が短期間にチームをまとめあげることができた要因の一つとして、日本人監督であるが故に言葉の壁がなかったということがよく指摘されています。

一方、ベルギーのマルティネス監督はベルギーにとっていわゆる外国人監督であり、ベルギーの公用語であるオランダ語・フランス語・ドイツ語のいずれの母語話者でもありません。

ただベルギーのようなチームにとって、オランダ語やフランス語の母語話者を監督にしてしまうとチームの微妙な均衡が崩れて団結力が失われてしまうのかもしれない。そんな理由もあってスペイン人の監督を招聘しているのかもしれない。

根拠はないものの、ついそんな想像をしてしまいました。いずれにしてもそこには日本に住む私たちにはなかなか想像できないデリケートな問題があるのだろうなと思います。