フィンランド語学習記 vol.598 − 可能法完了形の作り方

昨日のエントリーでは、動詞の可能法現在形についてまとめました。

フィンランド語学習記 vol.597 − 可能法現在形の作り方

今日は同じ可能法の完了形についてまとめておきます。

可能法完了形は過去の話をするときに使われます。

  • 可能法現在形=「おそらく〜だろう、〜かもしれない」
  • 可能法完了形=「おそらく〜しただろう、〜したかもしれない」
Lienemme nähneet tämän elokuvan aikaisemmin.
(私たちは以前にこの映画を見たかもしれない。)

可能法完了形は olla の可能法現在形と能動過去分詞を組み合わせて作ります。

ここではそれぞれの作り方をおさらいしておきましょう。

 

olla の可能法現在形

olla の可能法現在形は liene という特殊な語幹をもとに作ります。

[辞書形]olla(ある、いる)
→[可能法語幹] liene
肯定 否定
minä lienen en liene
sinä lienet et liene
hän lienee ei liene
me lienemme emme liene
te lienette ette liene
he lienevät eivät liene

 

能動過去分詞

能動過去分詞は、語幹(子音語幹)に[-nut/-nyt][-neet]を付けて作ります。

[辞書形]nähdä(見る)
→[子音語幹]näh
→[能動過去分詞]nähnyt / nähneet

動詞のタイプごとの作り方は次のとおり。

 語尾 語尾の処理 過去分詞(単数) 過去分詞(複数)
T1 VA [A]を外す -nut/-nyt -neet
T2 dA [dA]を外す -nut/-nyt -neet
T3 lA [lA]を外す -lut/-lyt -leet
nA [nA]を外す -nut/-nyt -neet
rA [rA]を外す -rut/-ryt -reet
stA [tA]を外す -sut/-syt -seet
T4 AtA [tA]を外す -nnut/-nnyt -nneet
OtA [tA]を外す -nnut/-nnyt -nneet
utA [tA]を外す -nnut/-nnyt -nneet
T5 itA [tA]を外す -nnut/-nnyt -nneet
T6 etA [tA]を外す -nnut/-nnyt -nneet

 

まとめ

以上、今回はフィンランド語の動詞の可能法完了形の作り方についてまとめてみました。

可能法完了形 = olla の可能法現在形+能動過去分詞
実はこの能動過去分詞の作り方というのは、可能法現在形の作り方と手順がほぼ同じ。

可能法現在形 nähdä → näh → nähne
能動過去分詞 nähdä → näh → nähnyt / nähneet

 

可能法現在形はたまにしか使わない形ですが、能動過去分詞[-nut/-nyt][-neet]はフィンランド語で最もよく使う形の一つ。

よってこの手順はきっちり覚えて置いた方がよさそうです。