「究める」と「極める」の違いとは?

「学問をきわめる」と言うときの「きわめる」は次のどちらが正しいでしょう?

  • 学問を究める
  • 学問を極める

まずは辞書を引いてみました。

きわめる[究める・窮める]

ものごとをどこまでも明らかにする。

「学をー・真理をー」

「三省堂国語辞典 第七版」

きわめる[極める]

①これ以上はないという状態に〈持っていく/行きつく〉。

「栄華をー・混乱をー」

②いちばん高いところに行きつく。

「山頂をー」

「三省堂国語辞典 第七版」

「究める」の用例に「学を究める」と出ているので、おそらくは「学問を究める」が正しいのでしょう。

ただ語釈を見ても案外はっきりとわからないのが「究める」と「極める」の違い。

  • 究める=ものごとをどこまでも明らかにする。
  • 極める=これ以上はないという状態に〈持っていく/行きつく〉。

この二つをじーっと眺めていて思ったのは、

「ものごとをどこまでも明らかにする」ことは「これ以上はないという状態に持っていく」ことではあるけれども、

「これ以上はないという状態に持っていく」ことは「ものごとをどこまでも明らかにする」ことではないということ。

そのように分析すると「極める」は「究める」の上位概念と考えることはできないでしょうか。

そのためなのか「学問を極める」にはそれほど違和感がないのに対して、「栄華を究める」にはかなりの違和感があります。

究める
(狭い?)
極める
(広い?)
◯ 学問を究める ◯ 栄華を極める
× 栄華を究める △ 学問を極める

 

一つはっきり言えることは、用例の「混乱を極める」にあるように「極める」はプラスだけではなくマイナスの方向にも使えるということ。

北極と南極のように、両方の極があるというのが「極める」の特徴なのだと思います。

 
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