私雨(わたくしあめ)

実家への帰省中、NHK BS「にっぽん百名山」の天城山の回を見ていたときのこと。

番組内でガイドさんがこの地域に降るにわか雨を表す「私雨(わたくしあめ)」という言葉を紹介していました。

印象に残る言葉だったのでさっそくメモ。

後ほど辞書を調べてみると、日国に見出し語として出ていました。

わたくしあめ【私雨】

〘名〙 限られた小区域にだけ降るにわか雨。特に、有馬、鈴鹿、箱根などの山地のものが知られている。

「精選版 日本国語大辞典」

突然の激しい雨に降られて慌てて家に帰ったとき、「さっきの雨、すごかったね」と言ったら「えっ? そんなに降ってた?」なんて返された経験のある人はいないでしょうか。

それはもしかしたら「私雨」だったのかもしれません。

考えてみると「驟雨、にわか雨、夕立」のように短い時間に降る雨を表す日本語はいくつかありますが、狭い範囲に降る雨を表す日本語はあまりないような気がします。

そういう意味では、もっと広まってよい表現なのではないかと思いました。

 
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