食パンの謎

先日、近所のイトーヨーカドーでパンのコーナーを見ていたときのこと。

「食パン」というのは改めて考えてみると不思議な言葉だなという考えが頭をよぎりました。

パンなのだから食べるのは当たり前。なぜわざわざパンに「食」という文字を添えるのでしょう?

それとも昔は食用ではないパンがあったのでしょうか?

その謎を解くため、まずは辞書を調べてみました。

しょくパン[食パン](名)〔=主食として食べるパン〕

味つけをしないで、底の四角い型に入れて焼いたパン。

「三省堂国語辞典 第七版」

しょくパン【食パン】

主食にするパン。〔狭義では、底の四角な型に入れて焼いたものを指す〕〔口語形は「しょっパン」〕→菓子パン

「新明解国語辞典 第七版」

ここから推察できるのは、食パンの「食」は主食の「食」なのかなということ。

いわゆる菓子パンではないパンのことを食パンと呼んだのかもしれません。

さらにもう一冊。

しょくパン【食ー】

〘名〙 (パンはポルトガル pão) 箱型に焼いた、特別の味付けをしていないパン。本食(ほんしょく)。

「日本国語大辞典 精選版」

最後に出てくる「本食」という言葉が気になります。

調べてみると、昔は食パンのことを本食と呼んでいたとのこと。

そのため食パンの食はここから来たのではないかという説もあるようです。

ただ結局、食パンの食の由来に関しては、これ!という決定版の説は存在しないよう。

何となく日常に根付いてはいるものの、不思議な日本語の一つです。

 
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