テンメンジャン、トウバンジャン

このところ、月に2〜3回くらいのペースでひよこ豆のカレーを作っています。

先日、そこに隠し味として冷蔵庫にあった甜麺醤(テンメンジャン)を入れてみたら、コクと甘みが出ておいしい味になりました。

これに気を良くして、こちらも冷蔵庫にあった豆板醤(トウバンジャン)を入れてみたら、こちらはビミョーな味に。

カイエンペッパーの代わりに豆板醤を使ったらコクと辛みが出て一石二鳥になるかなと思ったものの、そう簡単ではなかったようです。

もちろん分量や好みの問題もあると思うので、豆板醤が絶対にダメということはないでしょう。

甜麺醤というのは甘い味噌、豆板醤は辛い味噌ですが、その元になっているのは何だろう?と思い、辞書を引いてみました。

テンメンジャン[(:甜麺醬)](名)〔中国語〕

中国料理に用いる、小麦から造るみそ。黒い色とあまい風味が八丁みそに似る。

「三省堂国語辞典 第七版」

トウバンジャン[(:豆板醬)](名)〔中国語〕

中国料理の調味料の一つ。トウガラシみそ・トウガラシ・ソラマメ・塩を材料として発酵させてつくる。ドウバンジャン。トーバンジャン。

「三省堂国語辞典 第七版」

甜麺醤は小麦、豆板醤はトウガラシ・ソラマメなどを原料として作るんですね。

ところで甜麺醤・豆板醤の「醤」は醤油の「醤」。これはもともとどんな意味の漢字なのだろう?と思って漢和辞典を調べてみました。

 ショウ(シャウ)

語義

一(名)

  1. 塩づけして発酵させた肉。しおから。「肉醬ニクショウ
  2. つきつぶしてペースト状にした食品。「梅醬(=梅肉のペースト)」
  3. 豆・麦などを発酵させてから塩などを加えた調味料。みその類。ひしお・ヒシホ。「醬油」

「全訳 漢辞海 第三版」

もともとは「発酵肉、ペースト、みそ」などの意味なんですね。

醤油のイメージが強いので、醤という文字からは何となく液体を想像していました。

またさきほどから何気なく醤と書いていましたが、この醤は簡易字体で、標準字体としては醬を用いるようです。

*細かくて見えないと思うので拡大します。

醤(簡易字体)

醬(標準字体)

ちなみに今、冷蔵庫に入っている甜麺醤・豆板醤のラベルを確認したところ、甜麺醤には簡易字体、豆板醬には標準字体が使われていることがわかりました。

甜麺醤

豆板醬

おそらく実際の使用においては両方の字が混在しているということなのでしょう。

今度スーパーに行ったらどちらの字が多く使われているかチェックしてみたいと思います。

 
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