フィンランド語学習記 vol.639 − 改めて[ö]の発音について考える
Wikipedia の Finnish Language という項目にフィンランド語の[ö]の発音に関する次のような説明が出ていました。
‘ö’ is almost like english article ‘a’. It is pronounced with rounded lips, like ‘eu’ in French ‘peur’ or German ‘ö’
Wikipedia「Finnish language」
これによると[ö]は英語の冠詞の a のように発音する。
ホント?
ただ振り返ってみると、冠詞の a の発音なんて意識したことがないような気もします。改めて辞書を調べてみました。
a
BrE /ə/ , strong form /eɪ/
NAmE /ə/ , strong form /eɪ/
「Oxford Dictionaries」
a の発音はいわゆる schwa(シュワー)と呼ばれる /ə/ の音。この schwa は時にあいまい母音とも呼ばれる捉えどころのない音であり、英語で最もよく現れる音の一つです。
難しいと思っていたフィンランド語の音が、実は英語で最もよく現れる音に似ているというのは意外なこと。
/ə/ の正確な発音を確認するため、『発音記号の正しい読み方』を久しぶりに参照してみました。
ə:
【発音の仕方】唇を横に引き、上下の歯がはるくふれるくらいにして「アー」と長くいう。
ə【発音の仕方】[ə:]を発音する時よりも少し広く口をあけて、短かく「ア」という。
「発音記号の正しい読み方」P.18
ニュアンスはわかるのですが、実際にやってみると加減がなかなか難しいですね。
ただ[ö]を発音するときに schwa を意識するというのは、実戦的に有効な方法かもしれません。頭の片隅に留めておきたいと思います。