フィンランド語学習記 vol.668 − palaveri

フィンランド語教室のテキスト『suomen mestari』を読み返していると、こんな一文が目に止まりました。

Palaverin jälkeen Jari kysyy, lähteekö Alex lounaalle.

Palaveri の後、ヤリはアレックスにお昼に行くかどうか尋ねる。

Palaveri の意味がわからなかったので、Wiktionary を調べてみると次のように出ていました。

palaveri

meeting; especially an informal one

「Wiktionary」

Palaveri はミーティングの意味。さきほどの文は「ミーティングの後、ヤリはアレックスにお昼に行くかどうか尋ねる」という意味だったんですね。

またこれを調べた際に面白いと思ったのが語源についての記述。

Etymology

From English palaver, from Portuguese palavra, from Latin parabola, from Ancient Greek παραβολή (parabolḗ).

整理するとこの単語は次のようなルートでフィンランド語に入ってきたことになります。

古代ギリシア語 παραβολή
ラテン語 parabola
ポルトガル語 palavra
英語 palaver
フィンランド語 palaveri

 

フィンランド語に入ってくるまでに、こんなに多くの言語を経由しているという事実にまず驚かされます。

英語の palaver という単語は聞いたことがなかったので、こちらも辞書で調べてみました。

palaver

(informal)

  1.  [uncountable, singular] (British English) a lot of unnecessary activity, excitement or trouble, especially caused by something that is unimportant
  2.  [uncountable] (North American English) talk that does not have any meaning; nonsense

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

unnecessary activity とか、nonsense とか、これを見る限り英語の palaver にはネガティブなニュアンスがあるようです。

一方、フィンランド語の palaveri には、辞書の記述や用例を見る限り、そのような含意はなさそうに見えます。

こんな風に同じ系統の単語であっても、使われる言語によって微妙にニュアンスが異なるというのは面白い現象。やはりことばというのは生き物なのだということを再認識させられます。